...未だ定まれる形をとるに至らない...
阿部次郎 「合本三太郎の日記の後に」
...東方戦場また決戦に至らないで...
石原莞爾 「戦争史大観」
...被害民の死命を救うに至らないことである...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...それでは古いものをぶち毀(こわ)したままで新しいものを建設するには至らない...
高浜虚子 「俳句への道」
...徒(いたずら)に額を鳩(あつ)めてどうしようこうしようと云うばかりで一向決断に至らない...
谷崎潤一郎 「細雪」
...先生の御煩悶が皆な私の至らない為であると思いますと...
田山花袋 「蒲団」
...または遠い将来においてしか樹立せられるに至らないであろうか...
レオン・ワルラス Leon Walras 手塚壽郎訳 「純粋経済学要論」
...趣味の問題を真面目に取り上げなかったことは確かに至らない所以だったろう...
戸坂潤 「読書法」
...この人を囚(とら)えて窒息せしむるに至らないまでも...
中里介山 「大菩薩峠」
...またある時はその半(なかば)にも至らないでぱたりとやんでしまう折もあった...
夏目漱石 「変な音」
...突つ込んで訊くと――「どうせ至らない私ですから――」と涙ぐむばかりです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...その存在はいつまでも確保されるに至らない...
波多野精一 「時と永遠」
...トルストイとドストエフスキーとをもつに至らないといふ点である...
平林初之輔 「諸家の芸術価値理論の批判」
...僕が至らないんだ...
水野仙子 「脱殼」
...趣味の対象が同じだからというだけでは友情に至らないのである...
宮本百合子 「異性の間の友情」
...理性の力によって物事の真偽を識別するまでに至らないのであるが...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...郷土の特色を誇り得るまでには至らないでありましょう...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...至らないで悔いていることばかりを――そちには...
吉川英治 「宮本武蔵」
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