...その早桶のおのずからごろりところげるというに至っては――明治時代の本所はたとえ草原には乏しかったにせよ...
芥川龍之介 「本所両国」
...ひとたびここに至って祈願すれば...
井上円了 「おばけの正体」
...われわれの良心を満足さすべき事実は至って乏しい...
岩波茂雄 「岩波文庫論」
...独り殺害の罪悪に至りては...
高木敏雄 「比較神話学」
...これ即ち、神話的英雄の特色にして、彦火々出見ノ命が、塩椎(シオツチ)神の教によりて、魚鱗の如く作れる、海神の宮殿に到り、海神の女を得、その誨により、その助を得て、帰り来りし後、遂に其兄火照ノ命を屈服せしめしは、即ちこの特色を実現したるもの、此を大国主神の御祖ノ命の教によりて、根国に至り、須佐能男ノ命の女を得て帰り来り、大神の助を得て八十神を征服せしに比す、其些細の点は姑く惜き、其大体に於て、頗るよく相類似するを見るなり...
高木敏雄 「比較神話学」
...今日僕等が見ていわゆる地方色と見えない作品も後に至って顧れば...
高村光太郎 「緑色の太陽」
...さしづめ色白な戀愛至上主義者といふやうなところだ...
太宰治 「道化の華」
...三吾々はブルジョア社会学――乃至心理学――で云う所謂「社会心理学」の問題へ移る...
戸坂潤 「イデオロギー概論」
...リッケルトが与えようとして果さなかった文化科学乃至歴史学に就いて...
戸坂潤 「科学論」
...これは今日至る処に於て見られる事実であり...
戸坂潤 「技術の哲学」
...空間乃至幾何学的関係というような何か非物質的・観念的(乃至精神的)・思惟的・なものに過ぎない...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...半切一枚に書いた至つて簡單な手紙で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...音楽と美術の優劣に至っては...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...全道ノ富貴ハ内地トソノ隆ヲ比スルニ至ルベシ...
本庄陸男 「石狩川」
...礫砂至て多し...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...もしそれ翁の「芸道の丈夫」云々の一事に至っては...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...我より問われて初めて答えをなすなど怠慢至極(たいまんしごく)だ...
吉川英治 「三国志」
...砂の一粒一粒に至るまでよりわけ...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「時間からの影」
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