...そこは地位もあり、財産もあり、学位も有るもんなら、」と自若として、自分で云って、意気頗(すこぶ)る昂然(こうぜん)たりで、「講堂で良妻賢母を拵(こしら)えて、ちゃんと父兄に渡す方が、双方の利益だもの...
泉鏡花 「婦系図」
...栄養不良の和製トーキーのみがひとり泰然自若としてろくであり得るわけはどう考えてもない...
伊丹万作 「雑文的雑文」
...いつもの通りに自若としているように見えた...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...朝野がひとり泰然自若として坐っていた...
高見順 「如何なる星の下に」
...自若としてそれを迎えた...
豊島与志雄 「傷痕の背景」
...そして……それまで自若として抵抗し続けてきた椎の木が...
豊島与志雄 「古木」
...ただ楽長のみは泰然自若として...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...道庵は泰然自若として...
中里介山 「大菩薩峠」
...白雲が泰然自若として坐り込んで...
中里介山 「大菩薩峠」
...自若として鎮座している...
中谷宇吉郎 「異魚」
...彼の自若として死ぬる様には非常に敬服したものと見えて...
新渡戸稲造 「「死」の問題に対して」
...お前は持つて歩くのか」平次は自若として驚く樣子もありません...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...大した手柄になるぜ」平次は自若として動きさうもなかつたのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...自若として独り恍惚の夢を貪りながら飽くことのない者のやうに浩然として見せた...
牧野信一 「妄想患者」
...哲学者と同様に泰然自若として死なせる立派な論拠なのだ...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...ばかなことを申すな」「いや証拠があるんです」彼は自若として答えた...
山本周五郎 「思い違い物語」
...三沢は、自若として、少しもさわがないばかりか、かえって、声を放って笑った...
吉川英治 「三国志」
...自若としていたが...
吉川英治 「三国志」
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