...言い換えればこれは畢竟伝説の形となって現われた自然児の詩にすぎないのであって理知に富む思索家の宇宙を系統化せんとする考えではないのである...
スワンテ・アウグスト・アーレニウス Svante August Arrhenius 寺田寅彦訳 「宇宙の始まり」
...寧(むし)ろこの少女(をとめ)の手――宇宙に唯一人の同情者なるこの自然児の手に親しく火葬せらるゝのが何んなに本意であるか知れぬ...
田山花袋 「重右衛門の最後」
...「自然児は到底(たうてい)この濁つた世には容(い)られぬのである...
田山花袋 「重右衛門の最後」
...この自然児! このあはれむべき自然児の一生も...
田山花袋 「重右衛門の最後」
...しかし小学校生徒の仲間にはどこかこのシバテンの風格を備えた自然児の悪太郎はたくさんにいて...
寺田寅彦 「相撲」
...現代に於ける最も偉大なる自然児の一人である...
中里介山 「大菩薩峠」
...敬愛すべきわが自然児雲助諸君...
中里介山 「大菩薩峠」
...なつかしきエミリイ・ブロンテ! 彼女は真の自然児であり...
中沢臨川 「愛は、力は土より」
...今でも君は全くの自然児である...
室生犀星 「愛の詩集」
...その自然児が一面に於て熱烈な文明の思慕者であり...
室生犀星 「愛の詩集」
...全く言葉の上にも君は自然児であつた...
室生犀星 「愛の詩集」
...いかにも自然児らしく...
吉川英治 「三国志」
...型にはまらない自然児なので...
吉川英治 「新書太閤記」
...まことやこれ、虚心の自然児、草沢(そうたく)の英雄ともいうべき類(たぐい)か...
吉川英治 「新・水滸伝」
...この自然児とはひどく対蹠的な中央の“公卿眼”には...
吉川英治 「随筆 新平家」
...この野放しな自然児は...
吉川英治 「宮本武蔵」
...素朴な霊的要求が深く自然児の胸に萌しはじめたという雰囲気からであった...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
...上代の自然児の理想主義がある...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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