...洋行前の自分というものをどこかに置き忘れたように...
有島武郎 「或る女」
...そう思うと柿江は自分というものがめちゃくちゃになってしまったのを感じた...
有島武郎 「星座」
...あすこに住まっていると自分というものがはっきりして来るかに思われる...
有島武郎 「北海道に就いての印象」
...科学者はなるたけ自分というものを捨ててかかろうとする...
寺田寅彦 「津田青楓君の画と南画の芸術的価値」
...母はもし自分というものがなかったなら今日(こんにち)までこうして父のなくなった家にさびしく一人で暮してはおられなかったかも知れない...
永井荷風 「寐顔」
...自分というものの馬鹿さかげんこそ底が知れない...
中里介山 「大菩薩峠」
...自分というものを刑余の入墨者(いれずみもの)同様な...
中里介山 「大菩薩峠」
...それを刎(は)ね返して進む自分というものをも...
中里介山 「大菩薩峠」
...それで自分というものが慰められているほど...
中里介山 「大菩薩峠」
...そこには無関心な通りがかりの人と違った自分というものが頑張(がんば)っていた...
夏目漱石 「明暗」
...彼女は自分というものの力が...
長谷川時雨 「マダム貞奴」
...もうすこし自分というものを突放して...
堀辰雄 「「美しかれ、悲しかれ」」
...経験してゆく自分というものの在りようについての目は概してつぶられたままの形であると云える...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...かえつて自分というものがメチャメチャになる――」「すると先生は...
三好十郎 「肌の匂い」
...自分というものに...
吉川英治 「江戸三国志」
...少しも自分というものを強く主張しようとなさらんのです...
吉川英治 「三国志」
...お前(めえ)は今の自分というものを...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...とうとう」きょうまで自分というものを...
吉川英治 「宮本武蔵」
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