...英三とても自らの僻(ひが)んだ性根に赭(あか)くなって恥入ったくらいだった...
海野十三 「雷」
...かつ俺自ら俺を縛っている間...
大杉栄 「鎖工場」
...或は凶を行うて自ら恣(ほしいまま)にす...
田中貢太郎 「令狐生冥夢録」
...木原は自ら感じて...
豊島与志雄 「道標」
...もし「為政家」の見地に身を置くならば、そしてもとよりあらゆる保留をなして仮りにではあるが、およそ革命の後に現われきたる王たる者の資格は何であるか? その第一に有効なることができまた実際有効なる資格は、彼が自ら革命派であること、換言すれば、親しくその革命に関与し、自ら手を下し、あるいは危地に陥るか、あるいは名を現わし、あるいは斧(おの)にきらるるか、あるいは剣をふるうかした者であることである...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...必要上書契こそ自ら使用しないけれども...
内藤湖南 「日本上古の状態」
...単于自ら数万騎を率いて漢の寡勢(かぜい)を滅しえぬとあっては...
中島敦 「李陵」
...自ら天地の理にも及ぶ事有れども...
西周 「尚白箚記」
...地の表面の突出は山と名づけられて自らの存在を樂しむ如く見えるが...
波多野精一 「時と永遠」
...自らを証(あかし)となして云ふことに折節涙流れずもがな私の経験では斯う思ふと云ふ様なことを挟んでは話を進めて行くのであるが...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...私のあの折々の憂ひを含んだ表情は……自ら犯したと云はるゝが知る由もない罪を探つてゐるのではない……間もなく訪れるであらう...
牧野信一 「歌へる日まで」
...芭蕉はこれを以て自ら得たりとし...
正岡子規 「俳人蕪村」
...ニュージーランドのマオリ人がクック地峡の赤い懸崖を古酋長の娘の死を嘆いて自ら石片で額を傷(やぶ)った血の染まる所と伝えるなど例多くタイラーの『原始人文篇(プリミチヴ・カルチュル)』一に載せ居る...
南方熊楠 「十二支考」
...榛軒の星期が丁亥の初にあつたことも亦自ら明になるのである...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...常に自ら守らせ給うなり(ティトゥス・リウィウス)と...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...モンテーニュ自らもこの章を最も重視しているように見える...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...自らカトリックとしてプロテスタントにいやがらせをいったのではなく...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...自ら二三の役の任免を行なった...
山本周五郎 「竹柏記」
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