...臆病ならば臆病のようにそれに適応した方策に依って幸福を求めるがいい...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...臆病な神経を戦(わなな)かせていた...
徳田秋声 「あらくれ」
...七農程臆病なものは無い...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...職場に影響を及ぼすかの如き臆病な誤解を抱き...
戸坂潤 「〔付〕唯物論研究に就て(戸坂潤手記)」
...軋(きし)む戸とともにその倍以上も鳴り響くので一層気がひけていらいらとさせられる――しかしいまはそんな臆病な気持に捉われていてはいけない...
富ノ沢麟太郎 「あめんちあ」
...あなたは臆病なんです...
夏目漱石 「明暗」
...怜悧(れいり)なものが臆病なのか...
新渡戸稲造 「自警録」
...店中の評判になつて居るほど臆病なんです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...臆病な狐のやうに...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...怖いと思わない」山木は何故か急に臆病な眼付になって...
久生十蘭 「魔都」
...この臆病なロシアの皇太子は生涯にただ一度の恋愛をした...
久生十蘭 「淪落の皇女の覚書」
...從つて身體が逞しいのに似合はず臆病なのだ...
エム・ケー・ガンヂー 福永渙訳 「劒の教義」
...それまでだ……と思つて私は臆病な探偵のやうにこはごはその中に忍び込む私がガラス戸を押し開けるや否や...
堀辰雄 「鳥料理」
...鏡の顔こそ臆病な至純な自分其ものである...
牧野信一 「白明」
...虎もこの例で至って臆病なのもあるらしく...
南方熊楠 「十二支考」
...その作家の歴史に対して臆病なのも庶民性の一つであると書いてくれた序文のせて...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...「彼は卑怯で臆病なやつである」というのを聞くと...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...内心は臆病なんだなあ」武蔵は...
吉川英治 「宮本武蔵」
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