...松太郎は臆病な眼付をして...
石川啄木 「赤痢」
...彼が長ずるに従ってけっして臆病なわけではないが...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...彼らはおおむね臆病な連中ばかりだった...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...最も臆病な者らも決意を感じ...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...あなたは臆病なんです...
夏目漱石 「明暗」
...怜悧(れいり)なものが臆病なのか...
新渡戸稲造 「自警録」
...あつしはこの上もない臆病なんで...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...臆病な千代之助はぞっとして...
野村胡堂 「百唇の譜」
...臆病なくらい内気で...
久生十蘭 「あなたも私も」
...この臆病なロシアの皇太子は生涯にただ一度の恋愛をした...
久生十蘭 「淪落の皇女の覚書」
...その臆病な子ウサギを追っかけたあとは...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「くちなしの花」
...中には至って臆病な奴もありなんと結論し居る...
南方熊楠 「十二支考」
...虎もこの例で至って臆病なのもあるらしく...
南方熊楠 「十二支考」
...わが臆病なる心は憐憫(れんびん)の情に打ち勝たれて...
森鴎外 「舞姫」
...それはいつもの靜な臆病な彼とは全く別人な荒々しい彼であつた...
横光利一 「悲しみの代價」
...何故喧騷の中で、群集の中で、臆病な人間が、この自然の前へ來た時、十分の活力を得られるであらうか...
吉江喬松 「霧の旅」
...典厩信繁(てんきゅうのぶしげ)が陣地の臆病な哨兵が...
吉川英治 「上杉謙信」
...「あ……」思わず、またしても、臆病な腰が、後へ、身を退(ひ)きかけると、「やあ、土肥先生」体力的で、快活な声を、頭から浴びせるように、健吉が、云った...
吉川英治 「松のや露八」
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