...臆病な五位は、これまで何かに同情を寄せる事があつても、あたりへ気を兼ねて、まだ一度もそれを行為に現はしたことがない...
芥川龍之介 「芋粥」
...「なんて臆病な奴だ」俺はパンを投げつづけた...
高見順 「いやな感じ」
...みんな「臆病な苦勞」をしてゐます...
太宰治 「自信の無さ」
...お前はもう今迄のような臆病な心は持って居ないのだ...
谷崎潤一郎 「刺青」
...一種病的な臆病な気もちを感じた...
豊島与志雄 「作家的思想」
...そのほとんど臆病な貞節な愛にも...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...最も臆病な者らも決意を感じ...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...彼は何となく臆病な感じがした...
夏目漱石 「明暗」
...私は臆病なようだが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...臆病なくせに遊びが好き――と言った肌合らしく見えます...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...臆病な田舎ものの女共の魂は...
平出修 「夜烏」
...人と喧嘩するのがこんなに嫌いで臆病なくせに...
三好十郎 「抵抗のよりどころ」
...なんて臆病なおじさまなことか...
室生犀星 「蜜のあわれ」
...我が臆病なる心は憐憫の情に打ち勝たれて...
森鴎外 「舞姫」
...――臆病な、弱い人間なんだな...
山本周五郎 「ちくしょう谷」
...自分の競争者は無類に臆病な犬で...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...奴隷の臆病な犬のような二つの細い眼に嫣然(えんぜん)と微笑を投げて...
横光利一 「日輪」
...かれの臆病な悪魔的な考えは萎(な)え惧(おそ)れた...
吉川英治 「鳴門秘帖」
便利!手書き漢字入力検索