...松太郎は臆病な眼付をして...
石川啄木 「赤痢」
...私がいくら習俗を軽蔑して反抗で一杯になつたつて私の臆病な心はその反抗を他人に...
伊藤野枝 「感想の断片」
...天才は臆病なりと聞く...
大町桂月 「碓氷峠」
...私設雷専門取調委員長ってところだね……つまり……ソノ……臆病なんだな」と吐(ぬか)したには...
橘外男 「雷嫌いの話」
...私はもう今迄のような臆病な心を...
谷崎潤一郎 「刺青」
...笹村の臆病な冷たい目は...
徳田秋声 「黴」
...その翌日はなお臆病な...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...実際はもっとも臆病な男だった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...鼠のように息を殺して寝ている」「それほどの臆病なら...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...連中は臆病なものですから...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「流刑地で」
...臆病な田舎ものの女共の魂は...
平出修 「夜烏」
...臆病な小鳥たちも...
堀辰雄 「手紙」
...それまでだ……と思つて私は臆病な探偵のやうにこはごはその中に忍び込む私がガラス戸を押し開けるや否や...
堀辰雄 「鳥料理」
...たゞ無暗と臆病な消極的な理性に怯されるばかりだつた...
牧野信一 「白明」
...中には至って臆病な奴もありなんと結論し居る...
南方熊楠 「十二支考」
...叮嚀にくさむらの奥まで走り込むほど臆病なのもいる...
室生犀星 「螽※[#「虫+斯」、第3水準1-91-65]の記」
...我が臆病なる心は憐憫の情に打ち勝たれて...
森鴎外 「舞姫」
...西沢のこの臆病なこころと弱さを...
山本周五郎 「ちくしょう谷」
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