...我聲は臆することなく人々の聲にまじりたり...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...何の臆する所なく面(おもて)を揚げて...
石川啄木 「所謂今度の事」
...否、清子は自ら恥ぢてるのだ、其為に臆すのだ、と許り考へてゐた...
石川啄木 「鳥影」
...「……」老人は臆する気色もなく...
海野十三 「深夜の市長」
...二人は臆する気色もなく階段をあがって行った...
海野十三 「千早館の迷路」
...物に臆するやうな処は少しもなかつた...
高浜虚子 「椿子物語」
...あなたは臆するところ無く遊びます...
太宰治 「風の便り」
...臆する竹一の手を引っぱって...
太宰治 「人間失格」
...上座に坐る人はどの家へ行つてもあたり前のやうに臆する所なく上座に坐るし...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...ロチスター氏は臆する色もなく...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...あまりに臆することなく...
牧野信一 「風媒結婚」
...故に何の臆するところなく大胆にその業をはじめ...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...韓忠献臆すらく、年六、七歳の時病(やまい)甚だし、たちまち口を張りて服薬する状のごとくして曰く、道士あり、犬を牽き薬を以て我に飼う、俄に汗して愈(い)ゆと、因って像を書いてこれを祀ると(『琅代酔編(ろうやだいすいへん)』五)...
南方熊楠 「十二支考」
...しかしこれは些(ちと)の臆する氣色もなしに...
森鴎外 「最後の一句」
...そこでバックはその相に臆することもなく直面しながらも...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...それも初めは、良人を慰めるつもりだったのも、いつか、若い日の自分の姿を思い描く哀調を、つと立たしめた、臆する色のない、澄み冴えた歌声に変った...
横光利一 「夜の靴」
...べつに臆する必要もありません...
吉川英治 「江戸三国志」
...恋に臆する恋人への歯がゆさは...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
便利!手書き漢字入力検索