...そして臆することなく小母さんの方に面を向けた...
有島武郎 「星座」
...我は臆することなく答へつ...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...何の臆する所なく面(おもて)を揚げて...
石川啄木 「所謂今度の事」
...否、清子は自ら恥ぢてるのだ、其為に臆すのだ、と許り考へてゐた...
石川啄木 「鳥影」
...私の記臆するところだけでも三四册あり...
佐野昌一 「虫喰ひ算大會」
...これは一回や二回の乱伐には臆する色もなく...
高浜虚子 「発行所の庭木」
...臆する竹一の手を引っぱって...
太宰治 「人間失格」
...臆する色もなく云い返したと云う話...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...上座に坐る人はどの家へ行つてもあたり前のやうに臆する所なく上座に坐るし...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...臆するところもなく立ちつづけ...
野上豊一郎 「パリの地下牢」
...ロチスター氏は臆する色もなく...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...されど、」これが悠(ゆつく)りと、明瞭に讀まれた、「臆する者、信ぜざる者、等々は火と硫黄(いわう)の燃ゆる池にてその報(むく)ひを受くべし是第二の死なり...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...決して臆するところはないよ...
牧野信一 「吊籠と月光と」
...あまりに臆することなく...
牧野信一 「風媒結婚」
...爰には非雲が新夫に抗して髮亂れたとしたらしいが、外骨氏説に、本邦古畫に亂髮の女が露身せるは、之を下敷きにして行ふた體多しと、有たと記臆す...
南方熊楠 「蓮の花開く音を聽く事」
...いまはなんの臆するところもなく...
山川方夫 「箱の中のあなた」
...そこでバックはその相に臆することもなく直面しながらも...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...それも初めは、良人を慰めるつもりだったのも、いつか、若い日の自分の姿を思い描く哀調を、つと立たしめた、臆する色のない、澄み冴えた歌声に変った...
横光利一 「夜の靴」
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