...珍しくほてって臆病(おくびょう)らしい油汗が手のひらにしとどににじみ出ていた...
有島武郎 「或る女」
...「あいつ臆病者だからね...
江戸川乱歩 「一寸法師」
...抜刀の警官もさすがに気が臆したのかそこそこと闇に消えた...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...臆病だというのである...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...私はもう今迄のような臆病な心を...
谷崎潤一郎 「刺青」
...そこを上ろうとする時に臆病(おくびょう)な方が後(あと)になった...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...そんな臆説も考えられる...
寺田寅彦 「浅間山麓より」
...臆病者(おくびょうもの)も一種の恍惚(エクスタシー)に入った...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...またそこへ坐り込むと臆劫(おっくう)になるから」津田は仕方なしに手を出して手拭(てぬぐい)を受取った...
夏目漱石 「明暗」
...俺は臆病ぢやねえ」「何をツ」二人の爭ふのを...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...安全地帯を探して廻る臆病者たち...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...当局は、国際的なものは、なにによらず反撥しますが、同時にまた、非常に臆病です...
久生十蘭 「ノア」
...臆病未練なコン吉は...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...臆説は種々に立てられてゐる...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 森林太郎訳 「十三時」
...種々生品を観察して果して臆断と判った...
南方熊楠 「十二支考」
...寿女には何か臆せられた...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
...いや何よりも自分は臆病なんだ...
横光利一 「悲しめる顔」
...討入炬燵孫子(うちいりこたつそんし)臆病風邪内蔵助は寒がり坊であった...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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