...これは決して臆測(おくそく)には無之(これなく)...
芥川龍之介 「伊東から」
...人々はわが詞の多かりしを、才豐なりと稱へ、わが臆せざるを、心敏(さと)しと譽めたり...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...私はこのおやじに会うまでは性に関する話をかくのごとく露骨にしかもむきになつていささかの臆面もなく話す人を見たことがなかつたし...
伊丹万作 「私の活動写真傍観史」
...併(しか)し彼女は彼女自身の臆病からそれを断行することが出来なかつたのであらう...
伊藤野枝 「女絵師毒絵具を仰ぐ」
...結局は臆病なるが故の...
橘外男 「雷嫌いの話」
...怖(お)じず臆(おく)せず明快に...
田中英光 「オリンポスの果実」
...私は当時の去来の頭の中にここに私の書いたこのとおりの心理過程が進行したのであろうと臆測(おくそく)するわけでは決してない...
寺田寅彦 「連句雑俎」
...臆病(おくびょう)なような白い眼が...
徳田秋声 「足迹」
...ダヴィデは心臆(おく)しもせず...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...まず用人の小田島さんに」「あの方は化物とは縁がございません」「若党の勇吉――」「あの臆病者の!」「それに...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...臆病にしてもわがままにしても...
羽仁もと子 「おさなご」
...病院へ行くことは何となくもんは臆病になつてゐる...
林芙美子 「秋果」
...だからナナ・ラウが忠誠を誓う女王の手に接吻(せっぷん)することはない」臆病な手下はもう言葉をつぐんだ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「悪の帝王」
...追訴(ついそ)免除の証言を取るためには臆病者さえ利用する...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部秘話」
...臆病のためだらう...
宮沢賢治 「気のいい火山弾」
...臆病である本性はなおせない...
三好十郎 「抵抗のよりどころ」
...生白いむずむずした臆病そうな艶を失った褪(あ)せたいろで伸べられた...
室生犀星 「香爐を盗む」
...世上とかくの臆測(おくそく)が撒(ま)かれておるらしい...
吉川英治 「新書太閤記」
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