...鳥渡(ちょっと)見(み)たくらいでは別に気がつかないほどの膨らみだ...
海野十三 「西湖の屍人」
...皆は蛙のやうに膨らまつた腹を抱へて...
薄田泣菫 「茶話」
...否彼等の部族の増殖膨脹に伴ふ必然の結果として...
竹内勝太郎 「淡路人形座訪問」
......
峠三吉 「原爆詩集」
...享楽機関が次第に膨脹するこの大都会の大衆を吸引することになるであろう...
徳田秋声 「縮図」
...しかしてかくのごときはいわゆる武備機関の膨脹したる自然の結果なり...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...膨大な複雑な外見から要約された単純な本質を暴露する...
戸坂潤 「思想としての文学」
...其の動もすれば行政機関を過大に拡張して国費の膨脹を顧みざる傾向ある如きは其の一なり...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...お重は膨(ふく)れた顔をして...
夏目漱石 「行人」
...それよりまだ十倍も厳粛な人生問題を考えているもののごとく澄まして膨(ふく)れていた...
夏目漱石 「行人」
...気楽はしだいしだいに膨脹(ぼうちょう)するように見えた...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...いい! とお勢は膨れる...
二葉亭四迷 「浮雲」
...丘陵(きゅうりょう)に膨大な石油が眠っているとみて...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部」
...第三十七烏賊(いか)飯と申すのは烏賊の袋へお米を詰めて煮たもので最初に烏賊の袋だけ取って中をよく洗ってお米を好(い)い加減(かげん)に詰めて口を木綿糸(もめんいと)で縫(ぬ)いますがお米が中で膨(ふく)れますからその詰め加減が工合(ぐあい)ものです...
村井弦斎 「食道楽」
...それをまた木鉢へ移してメリケン粉を一握りほど振かけて以前のように布巾をかけて今の通りな温い処へ二時間置くと大層膨れて柔くなっていますから再び板の上へ取って打粉(うちこ)代りにメリケン粉を振かけてモー一度十分間もでっちるとちょうどいい柔かさの物が出来ます...
村井弦斎 「食道楽」
...空間が輝くと濃霧は水蒸気となつて膨脹した...
横光利一 「静かなる羅列」
...きょうを生きるために描き出している膨大(ぼうだい)な生命(いのち)の絵図とも見えるのである...
吉川英治 「大岡越前」
...二人とも膨(ふく)れた袋を手に提げている...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「ぶどう畑のぶどう作り」
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