...府縣市町村(ふけんしちやうそん)の大正(たいしやう)三年度(ねんど)の豫算(よさん)は三億(おく)二千七百萬圓(まんゑん)であつたものが昭和(せうわ)四年度(ねんど)の豫算(よさん)では十八億(おく)九千萬圓(まんゑん)に膨(ふく)れて居(ゐ)る...
井上準之助 「金解禁前後の經濟事情」
...即(すなは)ち戰時中(せんじちう)に膨張(ぼうちやう)した日本(にほん)の經濟(けいざい)が戰後(せんご)に於(おい)て收縮(しうしゆく)した状態(じやうたい)に就(つい)ての國民自體(こくみんじたい)の自覺(じかく)を喚起(くわんき)することが非常(ひじやう)に必要(ひつえう)である...
井上準之助 「金解禁前後の經濟事情」
...お蔭で男は賭けた金で懐を膨らませて帰りました...
薄田泣菫 「初蛙」
...(一九三五・五)(一九三五・六)膨脹するわが日本世間が一時北支問題に絶大な関心を寄せた理由は...
戸坂潤 「社会時評」
...私は久しぶりで胸の膨れる思ひであつた...
中島敦 「かめれおん日記」
...腹の所が膨(ふく)らんでいるから...
夏目漱石 「坑夫」
...東京市の貧弱なる膨脹に付け込んで...
夏目漱石 「それから」
...――大きな財布で懷ろを膨(ふくら)ましてよ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...体を水面へ浮び上がらせるだけ膨脹することがありうるし...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「マリー・ロジェエの怪事件」
...あらゆる物をして欲望に膨れしめた...
ホーフマンスタール Hugo von Hofmannsthal 木下杢太郎訳 「チチアンの死」
...數千年經るも太鼓の如く膨れ色黒くて存するが...
南方熊楠 「詛言に就て」
...三十六歳の膨大な肌を一そう廣げるやうにして...
室生犀星 「神のない子」
...未納 (一寸(ちょっと)膨(ふく)れて)え...
森本薫 「華々しき一族」
...宣徳九年(西暦一四三四年)朝廷に輸送された琉球の貢物目録に「海巴五百五十万個」という膨大な数字が見えるが...
柳田国男 「故郷七十年」
...体で膨れた豊かな湯の連りに...
横光利一 「旅愁」
...腹膨(はらぶく)れの幼児があるかと思うと...
吉川英治 「三国志」
...膨(ふく)れあがった馬の屍(かばね)や兵の死骸が芥(あくた)と共に浮いては流されて行く...
吉川英治 「三国志」
...一鬱蒼と膨れあがって見える雑木の森が...
蘭郁二郎 「植物人間」
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