...黄色に変色して互いに膠着(こうちゃく)して...
有島武郎 「或る女」
...これが社会生活に強い惰性となって膠着(こうちゃく)している...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...その道にずつと絹を膠付けにする...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...独逸の膠州湾(こうしゅうわん)租借(そしゃく)を始めとして...
太宰治 「惜別」
...膠濟鐵道の食堂車で茶をすゝつて居ると一人の旅客が同じ卓子に着いて名刺を私に渡した...
橘樸 「支那を識るの途」
...またわずかな含有灰分の相違が炭の効果に著しい差を生ずることも可能なのは他の膠質現象(こうしつげんしょう)から推して想像されなくはない...
寺田寅彦 「自由画稿」
...彼の頭にはおそらくこの「夕飯(ゆうめし)のかますご」が膠着(こうちゃく)していてそれから六句目の自分の当番になって「宵々(よいよい)」の「あつ風呂(ぶろ)」が出現した感がある...
寺田寅彦 「連句雑俎」
...暖い日には膠がゆるんで威勢よくぴよんと跳ねずにそろそろ尻をもちあげて横つ倒しになる...
中勘助 「銀の匙」
...勘次(かんじ)もお品(しな)も其(その)時(とき)互(たがひ)に相(あひ)慕(した)ふ心(こゝろ)が鰾膠(にべ)の如(ごと)く強(つよ)かつた...
長塚節 「土」
...今朝見た通りの色で椀の底に膠着(こうちゃく)している...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...明らかに古くなりかけた血液が膠(にかわ)のやうに――少量ではあるがべつとり附くではありませんか...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...一寸(ちょっと)こう膠(にかわ)みたいなにおいがする―兎(と)に角(かく)...
古川緑波 「清涼飲料」
...水をして葉体に膠着せしめないからであります...
牧野富太郎 「植物記」
...別にゼラチン即ち西洋膠(せいようにかわ)五枚を水へ十分間漬けておいてこの中へ加えます...
村井弦斎 「食道楽」
...膠(にべ)もなく...
吉川英治 「新書太閤記」
...膠(にべ)のない口吻(くちぶり)で...
吉川英治 「宮本武蔵」
...おじさんと別れて捜そうと思うんだけれど……いけないかな」大蔵は膠(にべ)なくいった...
吉川英治 「宮本武蔵」
...膠(にべ)もない...
吉川英治 「宮本武蔵」
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