...お敏は思わず銀杏返(いちょうがえ)しを膝の上へ伏せて...
芥川龍之介 「妖婆」
...まあお茶でも入れましょう」老主人は鉄びんの湯をきゅうすについで、手を膝においた...
海野十三 「火星兵団」
...それで両足の膝のあたりに力を入れているように足先をあげていたが...
田中貢太郎 「死体の匂い」
...どこでもピクニックはそうしたものだが、ナプキンだの紙包みだの、風でごそごそ這い廻る不用の油紙だのの堆(やま)のなかで、みんなてんでに見当がつかなくなって、どこに誰のコップがあるのやら、どこに誰のパンがあるのやらもわからず、葡萄酒を毛氈に零(こぼ)す、自分の膝に零す、塩を撒きちらす、おまけにぐるり一面は真暗で、焚火もいつの間にか衰えかけているのだが、誰ひとり立って粗朶をくべに行くだけの元気もない...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...顔を膝に押しあて...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...両刀を引寄せて膝に置いたのは...
中里介山 「大菩薩峠」
...三吉の膝を両腕で抱きしめてくると「いやだあ...
中村地平 「悪夢」
...親分」八五郎は膝を乘出します...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...同じ俳莚(はいえん)に膝を交えて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...膝関節の悪性出血で...
久生十蘭 「淪落の皇女の覚書」
...どうした?」と署長は膝をすすめました...
平林初之輔 「祭の夜」
...大黒柱を二きれみじかく切って投げたといふふうにどっしりがたりと膝(ひざ)をそろへて座ってゐる...
宮沢賢治 「家長制度」
...長い話の間少しも膝を崩さないところに翁の本色が現われていた...
山本笑月 「明治世相百話」
...」参木はお杉を引き寄せると片肱を彼女の膝へつこうとした...
横光利一 「上海」
...」使部は跪拝(ひざまず)いた膝の上へ訶和郎(かわろ)を乗せていった...
横光利一 「日輪」
...お詫びいたす」「滅多なことを……」新九郎は慌てて片膝をついた...
吉川英治 「剣難女難」
...われとわが膝(ひざ)を...
吉川英治 「神州天馬侠」
...膝を革(あらた)めてこういった...
吉川英治 「親鸞」
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