...読みかけた夕刊を膝へのせて...
芥川龍之介 「秋」
...その軽蔑してゐるものに対して膝を折り曲げるにはあまりに自分に対する気位が高かすぎるのです...
伊藤野枝 「従妹に」
...少し膝を乗出すやうにして...
徳田秋聲 「彷徨へる」
...子供は母親の膝の上で乳を飲んでいる...
豊島与志雄 「理想の女」
...「父の敵、勝負だっ」お歌は、膝の前の金を、素早くとって、よろめきながら立上った...
直木三十五 「三人の相馬大作」
...「所」といふふだんひとの馬にばかりなつてるのつぽな男がまつ先に呼出されて膝頭をがたがたふるはせながら「足袋の話をします」といつた...
中勘助 「銀の匙」
...そうだ」とうとう思い当ってお絹は小膝(こひざ)を丁と打ちました...
中里介山 「大菩薩峠」
...膝のうしろのところへ...
中里介山 「大菩薩峠」
...その膝許に身を投げた時のモニカと...
長與善郎 「青銅の基督」
...ほんとにこはかつたの、私、後をも見ずにとんで歸つたわ、いちもくさん、いちもくさん、膝がもつれて、息がきれても、ほんとに後をも見ずにとんで來たわ、ああこはかつた、こはかつたわ……こはかつたね、あの狼……つて、おぢさん、あの狼、おぢさんも、ごぞんじ、山で、おあひになつて……いいや、おぢさんは、山ではあはない...
三好達治 「駱駝の瘤にまたがつて」
...片方の膝をひどく擦剥(すりむ)いた...
山本周五郎 「寒橋」
...国家と民族との自覚をたしかにしなければならない」東湖は膝へ拳を抉(えぐ)りつけるようにした...
山本周五郎 「新潮記」
...新八の膝を枕にした...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...秋三は膝を叩いて喜び出した...
横光利一 「南北」
...膝の下に抑えつけた...
吉川英治 「私本太平記」
...そこで後刻、膝を正して、皆さんとちょっとお目にかかる...
吉川英治 「随筆 新平家」
...その膝にとり縋(すが)っている子達の姿がちらと見えた...
吉川英治 「源頼朝」
...のこる一本はカテリーナ・リヴォーヴナの膝がしらで...
神西清訳 「ムツェンスク郡のマクベス夫人」
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