...健康らしい皮膚が...
芥川龍之介 「京都日記」
...洞窟のゴツゴツした岩膚が...
江戸川乱歩 「影男」
...ぬれ鬘(かつら)の如く、豊(ゆたか)にたくましき黒髪、アラビヤ馬に似(もっ)て、精悍(せいかん)にはり切った五体、蛇の腹の様につややかに、青白き皮膚の色、この肉体を以て、私は幾人の男子を征服して来たか...
江戸川乱歩 「火星の運河」
...人間の価値が皮膚にあってそれを手で触れて見なければならぬわけではあるまいに...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...汝が身もとの膚(ハダ)のごと...
高木敏雄 「比較神話学」
...そうして大衆は自分の皮膚の色も見ないでこれに雷同し...
寺田寅彦 「烏瓜の花と蛾」
...皮膚が一層白くなっていた...
徳田秋声 「爛」
...だが ときをりは嘗て見た何かの外套(マントオ)のやうな巨大な闊葉の披針形が月光のやうに私の心臓に射し入つてゐたこともあつたが……恥らひを知らぬ日(にち)々の燥宴のさなかにある日(呪はれた日)私の暴戻な肉体は大森林の暗黒の赤道を航過した!盲ひたる 酔ひしれたる一塊の肉 私の存在は何ごともなかつたものゝやうにやはり得々と 弾力に満ちてさまざまの樹幹の膚の畏怖の中を軽々と摺り抜けて進んでは行つたが...
富永太郎 「原始林の縁辺に於ける探険者」
...皮膚のたるんだ頬に太い筋のある...
豊島与志雄 「或る男の手記」
...すっきりした鼻と引緊った口と小さく尖った――どこか混血児くさい顔立と皮膚...
豊島与志雄 「田舎者」
...多年白粉に塗られてきた皮膚には血の気が失せて蝋細工のような仄白さが顔面の表皮に浮んでいる...
豊島与志雄 「過渡人」
...皮膚と神経に滲(にじ)みだす...
原民喜 「鎮魂歌」
...膚はいま降った淡雪のように白くほのかに...
久生十蘭 「海豹島」
...皮膚からそうなってゆくようなことも(尤も...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...寒帯にも棲(す)み熱帯にも棲むという動物は必ず皮膚の下に脂肪を蓄えてちょうど脂肪の皮を蒙(かぶ)っているようです...
村井弦斎 「食道楽」
...あるいは皮膚の水虫よけに塗ったりしたが...
柳田國男 「食料名彙」
...皮膚は死んだような色になり...
山本周五郎 「つばくろ」
...彼女の皮膚(はだ)は厚化粧をしているかのように白かった...
夢野久作 「復讐」
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