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饗庭篁村 「木曾道中記」
...の聲のこる茅店の月、離人の膓をたち、雁が音わたる關山の月、征夫の心を傷ましむる媒となりて、物のあはれを添ふるは、なべて女の性の感情ふかきにたとへむ...
大町桂月 「日月喩」
...下から吹き上げて来る風は膓(はらわた)から脳天にまで滲みこむように冷たかった...
高浜虚子 「富士登山」
...両眼春昏(くら)くして薬を点ずること頻(しき)りなり」「須(すべから)く酒を傾けて膓(はらわた)に入るべし...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...断膓亭襍稾出版についての用談なり...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...断膓亭屠蘇の用意なければ倶に牛門の旗亭に徃きて春酒を酌む...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...わが膓(はらわた)いたみてきれもやせむ...
永井壮吉 「偏奇館吟草」
...羊膓たる坂路は丁度襖の模樣の稻妻形に曲折して居る...
長塚節 「痍のあと」
...絛蟲の棲息して居た膓の内壁と...
長塚節 「十日間」
...またお前の訴へる腹部の痛みを單純な膓加答兒ぐらゐに思ひ過して...
南部修太郎 「疑惑」
...何しろ盲膓の半分は化膿してゐるやうですからね...
南部修太郎 「疑惑」
...藤子は手術の缺陷のあつた爲めか盲膓炎を再發して昨年の秋に死んだのである...
南部修太郎 「疑惑」
...膓捻轉をしたりして...
長谷川時雨 「四人の兵隊」
...これにも膓(はらわた)はたゝるべき聲(こゑ)あり...
一葉女史 「ゆく雲」
...内臟の全くを露出する……膓でも...
三島霜川 「解剖室」
...こゝに梶紙の濫膓があつたと思へる...
柳宗悦 「和紙の教へ」
...むき出しにされた醜い色とりどりの膓(はらわた)のようにうごめいて光っている...
山川方夫 「その一年」
...斷膓の文はこれに盡きない...
横瀬夜雨 「花守」
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