...の聲のこる茅店の月、離人の膓をたち、雁が音わたる關山の月、征夫の心を傷ましむる媒となりて、物のあはれを添ふるは、なべて女の性の感情ふかきにたとへむ...
大町桂月 「日月喩」
...膓(ちやう)の疼痛(とうつう)...
アントン・チエホフ Anton Chekhov 瀬沼夏葉訳 「六號室」
...下から吹き上げて来る風は膓(はらわた)から脳天にまで滲みこむように冷たかった...
高浜虚子 「富士登山」
...その膓には紅い真綿を使うのだと云う...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...柿膓□ひとりの句二つについて――□旅の句...
種田山頭火 「其中日記」
...無用庵雨漏りいよ/\甚しき由留守居の者知らせに来りし故寐道具取片づけ断膓亭に送り戻さしむ...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...断膓亭に瓦斯暖炉を設く...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...断膓亭襍稾印刷校正に忙殺せらる...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...断膓亭の小窗に映る樹影墨絵の如し...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...過日断膓亭襍稾を知友に贈呈す...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...自ら断膓亭尺牘を編む...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...發疹窒扶斯と膓窒扶斯との鑑別診斷でぐつと行詰つてしまつた...
長塚節 「開業醫」
...またお前の訴へる腹部の痛みを單純な膓加答兒ぐらゐに思ひ過して...
南部修太郎 「疑惑」
...『急性盲膓炎です...
南部修太郎 「疑惑」
...盲膓の方はどうしてもなさらなきやいけないの...
南部修太郎 「病院の窓」
...我が膓より出でたる樣にもなく...
樋口一葉 「花ごもり」
...こゝに梶紙の濫膓があつたと思へる...
柳宗悦 「和紙の教へ」
...むき出しにされた醜い色とりどりの膓(はらわた)のようにうごめいて光っている...
山川方夫 「その一年」
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