...ついに右腕を上膊(じょうはく)から切断してしまったのである...
海野十三 「空中漂流一週間」
...果ては一種のオルガスムスに似た微かな痙攣がマスミのしなやかな肩から上膊のあたりに波うつのさえ...
海野十三 「深夜の市長」
...上膊にパクリと明いた傷口から...
海野十三 「深夜の市長」
...貴下の傷は幸運にも上膊動脈と上膊骨との中間をうまく貫いています...
海野十三 「深夜の市長」
...左前上膊部(ひだりぜんじょうはくぶ)...
江戸川乱歩 「悪霊」
...(右の上膊部(じょうはくぶ)に絆創膏(ばんそうこう)が貼(は)ってあるのは誰かに注射されたのらしいが児玉先生でも呼んだのだろうか)気がついた時はすでにベッドの中にいて...
谷崎潤一郎 「鍵」
...赤く日に焼けた上膊から剥がれる薄い皮を...
豊島与志雄 「月明」
...また長い間脉膊をみていた...
豊島与志雄 「子を奪う」
...虚偽と惰眠とに対して苦闘しつつ、真実へ向かって勇敢に突進する、解放せられたる自由なる魂、一人太陽の子たる孤独を味わいつつも、新旧両時代の橋梁(きょうりょう)たるべき魂、しかも生れながらにしてそうある魂、その魂の脈膊は、実にジャン・クリストフのうちに聴き取り得らるるのである...
序 豊島与志雄 「ジャン・クリストフ」
...頸筋からじかに上膊へなだれ落ちてる肩の線...
豊島与志雄 「二つの途」
...初め躯幹、上膊にあらわれ、後には大腿に多発する...
永井隆 「長崎の鐘」
...私も満足です」注射器に薬液をみたして久美子の上膊に注射すると...
久生十蘭 「肌色の月」
...この組み合わせの心臓の鼓膊(こはく)が「恋愛曲線」を描くというもっともらしい結論をつくりあげ...
平林初之輔 「探偵小説壇の諸傾向」
...脇腹(わきばら)にあてている左の下膊(かはく)には...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...更に屍体を詳細に調査したる結果左腕上膊部に小さき注射の痕跡あり...
夢野久作 「暗黒公使」
...シャツの上膊部を切り破って...
夢野久作 「暗黒公使」
...右の上膊の骨を外した巨漢が...
夢野久作 「冥土行進曲」
...凌雲(りょううん)の気 堂々の男誰とかなす押牢(おうろう)の蔡福(さいふく)なれ青鸞(せいらん)の帯無角(むかく)の頭巾(ずきん)歩むところ 草木おののき声きけば哭(な)く子もやむ名(つ)けたりな そのアダ名も鉄臂膊(てっぴはく)とはこれは兄の方だが...
吉川英治 「新・水滸伝」
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