...腹立つ下に心弱く...
泉鏡花 「海異記」
...いや腹立つどころではない...
伊藤左千夫 「春の潮」
...しッかりした人や思て感心してたのんがなお腹立つ...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...声出してやろ思て一所懸命になればなるほど、舌硬張(こわば)って動けしませんし、眼エあくことすら出来(でけ)しませんので、エエ、腹立つ、どないしてやろ思てる間アにまたいつやらうとうとしてしもて、……そいでも話声まだ長いこと聞えてて、その男の方の声が、おかしいことに綿貫でのうて夫の声に変ってしもてて、……こないなとこになんで夫いるねんやろ? 夫あないに光子さんと親しいのんか知らん!「姉ちゃん怒りやはりますやろか?」「なあに、園子かてその方が本望ですやろ」「そしたら三人仲好うして行きまひょなあ」と、――そんな工合(ぐあい)にポツリポツリ耳に這入(はい)ったのんが、今考えてもよう分れしませんねんけど、二人の間でほんまに話してたもんやのか、それとも夢の中ながら想像で事実補うてたのんか、……それがあのう、……こいだけやったらみんな自分の心の迷いで根エも葉アもない幻見たんや、そんな事実あろうはずないと打ち消してしまいますねんけど、その外にもまだ忘れることの出来ん場面覚えてますし、……それも初めは阿呆(あほ)らしい夢や思てましたのんが、薬さめて意識ハッキリして来るにつれて、外の夢だんだん消えてしまいますのんに、その場面だけかいって頭い焼き付いてて、疑がう余地ないようになって来ましてん...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...腹立つてゐるかまきり発表できない句!(或る時機がくるまでは)・死ねる薬はふところにある日向ぼつこ(再録)五月十四日寝た...
種田山頭火 「其中日記」
...腹立つというのはあて字であろうと思われる...
寺田寅彦 「言葉の不思議」
...腹立つ胸を押殺して...
直木三十五 「南国太平記」
...彼らは私ごとき人間に平和な生活を邪魔されるのを腹立つかのように毎晩言語道断に荒れまわるのでゆうべから一きれの餅をいくつかに割って床のうえにほうっておくことにした...
中勘助 「島守」
...秀眞たるもの果して腹立つべきか...
長塚節 「長塚節歌集 中」
...大西以下書生が開演してから、ノコ/\やって来る、腹立つ...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...無礼なる電話ありしときゝ大いに腹立つ...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...築地のきん楽へ、ビクター岡の招待、川口松太郎と三益同席が既につまらんところへ新橋芸妓の不礼さに呆れ、腹立つ...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...これもTVとテッパリの役者がゐる関係らしい、腹立つ...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...すると後にはお前の方で腹立つて出て往かうとするから...
正岡子規 「墓」
...しかるに一日腹空(へ)る事甚だしくついに腹立つ事甚だし...
南方熊楠 「十二支考」
...犬の屎(くそ)を踏み腹立つのみ...
南方熊楠 「神社合祀に関する意見」
...或殿上人の車を女房達の借て物詣でしけるが約束の程過て道の遠くなるを腹立つなりけり...
南方熊楠 「詛言に就て」
...相手の腹立つようなことばかりいう...
吉川英治 「新書太閤記」
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