...(註三)とにかく平四郎は腹立ちまぎれに伝吉へ斬りかけたのに違いない...
芥川龍之介 「伝吉の敵打ち」
...彼女は良人に撲(なぐ)りつけられた腹立ちまぎれに...
田中貢太郎 「法華僧の怪異」
...誰のために商売してゐると思ふかと幾が腹立ちまぎれに開きなほると...
田畑修一郎 「鳥羽家の子供」
...東京から帰って、腹立ちまぎれに、自暴まぎれに、郷里のある家に火を放けようとして、気違扱いにされて、遠い田舎にやられたことなどもかれは時々思い出した...
田山花袋 「トコヨゴヨミ」
...腹立ちまぎれに馭者台にあがって...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「大ヴォローヂャと小ヴォローヂャ」
...その日命ありてにわかに遠方に出張し、三月あまりにして帰れば、わが留守に浪子は貴族院議員加藤(かとう)某(なにがし)の媒酌(ばいしゃく)にて、人もあるべきにわが従弟(いとこ)川島武男と結婚の式すでに済みてあらんとは! 思わぬ不覚をとりし千々岩は、腹立ちまぎれに、色よき返事このようにと心に祝いて土産(みやげ)に京都より買(こ)うて来し友染縮緬(ゆうぜんちりめん)ずたずたに引き裂きて屑籠(くずかご)に投げ込みぬ...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...「なんだって貴様は自分の命のことばかり心配してるんだ! そんな兄貴のおどし文句は腹立ちまぎれにすぎんさ...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...お兄さんはただ腹立ちまぎれにもいらっしゃいましょうし...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...ジャン・ミシェルは腹立ちまぎれにいっそう太い声で言いつづけた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...軽い腹立ちまぎれに...
豊島与志雄 「変な男」
...腹立ちまぎれに自分で脱ぎすてたものか...
豊島与志雄 「南さんの恋人」
...金助から侮辱されて腹立ちまぎれに...
中里介山 「大菩薩峠」
...私は、私の手をいつも求めてくるあの人の手を強く掴(つか)んで、腹立ちまぎれに、赤くして、彼の方に投げ返してやつた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...お前はそのときお前のおばにそんな事で突込まれた腹立ちまぎれに...
堀辰雄 「菜穂子」
...」腹立ちまぎれに...
松永延造 「職工と微笑」
......
山之口貘 「鮪に鰯」
...腹立ちまぎれに忘れたんだわ...
吉川英治 「新・水滸伝」
...腹立ちまぎれに、「木っ葉どもめ」と、頼朝へ挑んでいる敵の、四、五人を、遠景は大長刀で滅茶苦茶に叩き伏せ、薙(な)ぎとばして、「おッ、お逃げにならなければいけませんッ」と、恐い顔のまま叱咤(しった)した...
吉川英治 「源頼朝」
便利!手書き漢字入力検索