...「忘れたら思ひ出すまでそこに立つて居れ!」と云つて高村軍曹は眼をきよろ/\させて其処にかしこまつて腰掛けてゐる初年兵たちを物色する...
新井紀一 「怒れる高村軍曹」
...暫らく其材木の端(はし)に腰掛けて...
石川啄木 「葬列」
...もつと蔭の涼しい処に腰掛けよう...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...白基竜は悄然と隅の腰掛けにつき...
林不忘 「安重根」
...店の中の勘定台の後に腰掛けていた...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...彼はその質問者をじいっと眺めながら腰掛けていた...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...腰掛けた位置に相当する固有振動週期を示すものらしいということである...
寺田寅彦 「空想日録」
...腰掛けたまま身構えの様子で...
豊島与志雄 「在学理由」
...植木鉢が三つ四つ並んでる出張り框に腰掛けて...
豊島与志雄 「小さき花にも」
...テナルディエの女房は娘たちが腰掛けにしていた窓の角(かど)にある大きな畳石をつかんだ...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...ジャン・ヴァルジャンはやはり標石の上に腰掛けたままじっとしていた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...腰掛けは得たいが知れない程ブクブクして柔かである...
林芙美子 「新版 放浪記」
...部屋の隅の椅子に腰掛けてゐたその家の主人と細君と弟の話は急に杜切れ...
原民喜 「飢ゑ」
...T先生はがらんとした工場の隅にひとり腰掛けてゐた...
原民喜 「廃墟から」
...あの窓臺に腰掛けてゐるとき...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...あの『悪魔の腰掛け』から見えるためには...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「黄金虫」
...父がたつた一人の傍聴者として腰掛けてゐるだけだつた...
牧野信一 「毒気」
...八間(はちけん)の灯でもほしいほど薄暗い一番奥の腰掛けで...
正岡容 「小説 圓朝」
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