...――と云うよりも寧(むし)ろ彼女の心も汲(く)み分けてくれない腰ぬけの母に何か情無さを感じ勝ちだった...
芥川龍之介 「玄鶴山房」
...お前はあたしの娘では――腰ぬけの娘では不足なのかい?」と毒々しい口をきいたりした...
芥川龍之介 「玄鶴山房」
...腰ぬけのお鳥だけはその式にも出る訣に行かなかった...
芥川龍之介 「玄鶴山房」
...一日のうちに何回でも聾と唖と腰ぬけと盲目とになることが出来るのである...
芥川龍之介 「侏儒の言葉」
...一日のうちに何回でも聾と唖と腰ぬけと盲目とになることが出来るのである...
芥川龍之介 「侏儒の言葉」
...己は去年の大患(おおわずら)いから腰ぬけになってしもうたのじゃ...
芥川龍之介 「伝吉の敵打ち」
...腰ぬけ同様に床に就いてゐた...
芥川龍之介 「一塊の土」
...瀬古 ペガサスの腰ぬけはないぜ...
有島武郎 「ドモ又の死」
...それを、さげすむように聞いて、「腰ぬけどもが、洋上に軍艦があらわれたぐらいで、なんというとりみだし方だ」ケレンコは、仁王様のような顔つきで、はらだたしげにどなった...
海野十三 「太平洋魔城」
...世の学者はおおむねみな腰ぬけにてその気力は不慥(ふたし)かなれども...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...反抗できない腰ぬけでもないが...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部秘話」
...あの小箱に腰ぬけが死ぬほど怖がった...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...「なぜ斬らん、真実この阿賀妻をお家の害毒と思うなら、斬奸状(ざんかんじょう)をたかく掲げて斬るがよかろう、襲うがよかろう、腰ぬけめが、おぬしらの帯刀では人の骨を斬ることは出来るまい、少しは口惜しがったがよかろう、地団駄もふむがよかろう、胸に手をあてて考えるがよかろう、太平に馴れ、俸禄にあまやかされ、その方(ほう)ら軍務についていたものどもは張子の虎になりおった、時の勢いとして深くは咎(とが)めぬなれど、敗軍は敗軍じゃ、烏合(うごう)の官兵によくもみごとに追い立てられたな、白河口のたたかいでは――ときには身のいましめとして憶(おも)いだすがよかろう、その方らのいただくお武頭の萱野弥五郎は、こともあろうに擒(とりこ)になりおった、続く面々は総退却、右往左往、大将たおれて、代って勢をもり立てる勇も智も持ちあわせてはおらんのか、つづいての尿前(しとまえ)ではまたしても総敗陣――鎮守府将軍八幡社に顔向けが出来ようか、われらの城地にこの神を勧請(かんじょう)された政宗公に何とお詫(わ)びをいたされる、ばかめ、ばかめ、よくもおめおめ戻って来おったな、武士の道というものは――お家の安泰というものは――」――それは戦いに勝つことであった、と、そう云いたかったのだ...
本庄陸男 「石狩川」
...私のめくら腰ぬけから始まって...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...必ずしもこれをまとう者をヘール〔腰ぬけ〕にはしないのである**...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...なんというなさけない腰ぬけだろう...
山本周五郎 「末っ子」
...何たる腰ぬけか」「臆病風にふかれたにちがいない」「堀久太郎も...
吉川英治 「新書太閤記」
...生き長らえておるような腰ぬけはいざ知らず...
吉川英治 「源頼朝」
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