...そこには洋一(よういち)が腕組みをしたまま...
芥川龍之介 「お律と子等と」
...御迷惑ついでになんとかしてやっていただく事はできないでしょうか」事務長は腕組みをしたまままじまじと木村の顔を見やりながら聞いていたが...
有島武郎 「或る女」
...」「旦那(だんな)、お供はどうで、」と停車場(ステエション)前の夜の隈(くま)に、四五台朦朧(もうろう)と寂しく並んだ車の中から、車夫が一人、腕組みをして、のっそり出る...
泉鏡花 「歌行燈」
...その間栄介は腕組みをしたまま...
梅崎春生 「狂い凧」
...それから畳のうえのランプの暈(ほや)に眼を移して腕組みしていたが「天下みなわれはこれを愛す...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...俺は腕組みをして部屋のなかをのっしのっしと歩き回った...
高見順 「いやな感じ」
...土に背をもたし腕組みして考え込んだ...
田中貢太郎 「忘恩」
...彼女は男のように腕組みをして...
豊島与志雄 「潮風」
...ジルノルマン氏は彼独特の妙に傲然(ごうぜん)たる腕組みをして...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...級長藤本はさっきから青桐の下に腕組みをしたまま突っ立って...
永井隆 「長崎の鐘」
...武者修行の体(てい)で腕組みをしながら歩いて来る...
中里介山 「大菩薩峠」
...腕組みをしながらのんびりと艦橋を歩きまわっている...
久生十蘭 「だいこん」
...机の前で泰然と腕組みしている署長に訴えた...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...腕組みして何か考えていたが...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...真名古は向い側の歩道の電柱の陰に腕組みをしながら凝然と突立ち...
久生十蘭 「魔都」
...「やって御覧、海が上の方に見えるよ」「どーれ」篤介は徐ろに帽子を耳の上まで引下げ、腕組みをし、重々しく転がって行った...
宮本百合子 「明るい海浜」
...」と正直さうに言ふのを空空しく聞いてゐた男は、腕組みをといて、こんどは紙卷きに火をつけながら、「旦那の方でさう野暮に知らない一點張りなら、こちらにだつてつもりがありまさ...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
...と治兵衛は腕組みをし...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
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