...恋女房の棺(ひつぎ)の横に坐って始終腕組みをしていた吉蔵親分が...
海野十三 「白蛇の死」
...腕組みして、また別人のように黙々と瞑想に入るごとくであった...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...分別ありげに腕組みをした...
太宰治 「乞食学生」
...私は大きく腕組みして...
太宰治 「新樹の言葉」
...困ったことが持ち上がったものだな」と親父は腕組みをして苦り切っていました...
橘外男 「蒲団」
...美事な半裸体のまゝ腕組みをして突立つた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...茂樹は腕組みをして...
豊島与志雄 「椎の木」
...「それでは、あなた、約束が違やしませんか」「約束とは?」「わたしを救い出して下さる、あなたのお約束じゃありませんか」「救い出す――いつ、わたしが、そんなことを言いましたか」「あら、また、あんなことをおっしゃって……あなたをお力にすればこそ、こうして、わたしは、逃げ出して来たんじゃありませんか」「人をたより過ぎてはいけません、拙者は人にたよられるほどの人間ではありません、人にたよりたいくらいの人間ですよ」「では、わたしというものを、どうして下さるの……」「浅間の、もとの主人まで送り届けるだけのことはします」「それだけじゃいけません」「いけませんといったって、それより以上のことは、拙者の役目にないことで、またしようとしてもできないことです」「ねえ、あなた、浅間へ帰ると言いましたのは嘘なんですよ、わたしは、あんなところへ帰る気はありません」「帰らなければ、どこへ行きます」「わたしは、江戸へ帰りたいのです」「それは事情が許しますまい、江戸へ帰るならば、帰るようにして帰らない以上は、迷惑が湧いて、災難を求めるようなものです」「ただは帰れませんから、逃げて帰るよりほかはありません」「一里二里も覚束ない足で、どうして江戸へ帰ります」「ですから、わたしは、あなた様におすがり申しているじゃありませんか、どうぞ、このまま、わたしを連れて逃げて下さい」「何をおっしゃる――そなたを連れて、拙者に江戸へ逃げろといわれるのですか」「お江戸でいけなければ、どこでもようございます――京でも、大阪でも、いっそ、誰も知らない山の中でも、海の涯(はて)でも、どこでもようございますから、このまま、わたしを連れて逃げて下さいまし」「なるほど」兵馬は、この間も、腕組みをして、悠々閑々と歩いていることを少しも止めないでいましたが、この時から、以前、二三間ずつは必ず離れていた女が、兵馬の袖にすがって離れません...
中里介山 「大菩薩峠」
...やはり腕組みをしたまま...
中里介山 「大菩薩峠」
...そこで刀の方に向き直って腕組みをしながら...
中里介山 「大菩薩峠」
...すごいなあ」腕組みした友田喜造が...
火野葦平 「花と龍」
...お叱り下さい」腕組みしていた藤本は...
火野葦平 「花と龍」
...又七はつくねんと蒲団の上に腕組みしている...
牧逸馬 「助五郎余罪」
...壁にある旗の前に腕組みをして立ちあがったことを僕は憶(おぼ)えている...
牧野信一 「吊籠と月光と」
...半太夫は腕組みをし...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...栄二は腕組みをし...
山本周五郎 「さぶ」
...彼は腕組みを、つぎに右手で顎(あご)を撫(な)でながら、二三歩いったり来たりした...
山本周五郎 「ひとでなし」
...腕組みをして並んでいたが一眼で用心棒という事がわかる...
夢野久作 「冥土行進曲」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??