...歌舞伎座にある胸像は似ても似つかぬ腑ぬけの他人であり...
高村光太郎 「九代目団十郎の首」
...まるで腑ぬけのようになって腕組みをしたままぼんやりと飾場の砂の上に突っ立っている...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...あっけに取られて腑ぬけのようになってぼんやり見あげている顔々を尻目にかけ...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...腑ぬけのようになって暮すんでしょう...
久生十蘭 「野萩」
...腑ぬけのように茫乎と空を仰いでいるというのは...
久生十蘭 「魔都」
...帰ってきたって欧羅巴のほうばかり眺めながら腑ぬけのようになって暮すんでしょう...
久生十蘭 「ユモレスク」
...腑ぬけの家具なもんだから...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...腑ぬけのような声が聞えた...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...腑ぬけのやうな貌つきで浮子を見てゐると横でぼかんと音がして唖の子供が落ち込んだ...
北條民雄 「白痴」
...王政復古時代の作家が腑ぬけになった空気の中で...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...平四は青んぶくれて腑ぬけのように見えるが...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
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