...腐敗した杏(あんず)の匂に近い死体の臭気は不快だつた...
芥川龍之介 「或阿呆の一生」
...腐敗した地方官どものやることはその調子だ」と津田は冷笑して「なにをもって煽動というのか知らんが...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...パリーの腐敗した思想から...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...当代の大立者とその腐敗した思想とにたいする...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...もっとも凡庸な者や腐敗した者までが奮起させられています...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...そして自分は高佐君と云ふ人はどうして此の腐敗した空氣の中(なか)に...
永井荷風 「新歸朝者日記」
...人間が腐敗したり...
原民喜 「焔」
...将校にはいくら腐敗したものが多くとも...
正岡子規 「病牀六尺」
...彼らを取り巻く腐敗した蒸気から主として生ずる悪性熱病...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...食物(しょくもつ)がずんずんたまって、腐敗したのです...
宮沢賢治 「蜘蛛となめくじと狸」
...生活力の存する間はその気孔より呼吸しおるもの故他に腐りたる鶏卵を置けば直ちにその腐敗したる空気を吸入して伝染す...
村井弦斎 「食道楽」
...そしてもう不正な腐敗した裁判官などを相手にしないですむことは...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...今日秋葉君は本所の「釜屋の川」で腐敗した水の中にもぐって...
山本周五郎 「青べか日記」
...これらの腐敗した肺臓を恐れる心臓は...
横光利一 「花園の思想」
...督郵のごとき腐敗した中央の吏に...
吉川英治 「三国志」
...腐敗した物などお客にすすめられようか...
吉川英治 「新書太閤記」
...腐敗したものの骨頂である...
和辻哲郎 「蝸牛の角」
...腐敗した現実の政治に結びつかなかったことがむしろ孔子の偉大なゆえんなのである...
和辻哲郎 「孔子」
便利!手書き漢字入力検索