...この先生は着物は腐れ...
芥川龍之介 「本所両国」
...それだからふて腐れて赤いスエターを頭からすつぽりと被つて...
有島武郎 「骨」
...また高が三百円かそこらの僅かばかりの目腐れ金に尻尾(しっぽ)を振る大杉でもなかった...
内田魯庵 「最後の大杉」
...あまりに栄え茂りすぎた物質的文化のために人間生活の根本が腐れかかるのではないかと思ってみた...
寺田寅彦 「芝刈り」
...腐れ儒者となった日には手もつけられません...
中里介山 「大菩薩峠」
......
中島敦 「和歌でない歌」
...「あの野郎(ナポレオンのことだ)昨日から不貞腐れて何も喰わんのですよ...
中島敦 「環礁」
...全然鼻のなくなった腐れ病の男も隣の島には二人もいるのだ...
中島敦 「南島譚」
...子規の骨が腐れつゝある今日に至つて...
夏目漱石 「京に着ける夕」
...お茶の水に立ち腐れになった茶店のあることも知り尽していたのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...閑雅な食慾怠惰の暦いくつかの季節はすぎもう憂鬱の櫻も白つぽく腐れてしまつた馬車はごろごろと遠くをはしり海も 田舍も ひつそりとした空氣の中に眠つてゐるなんといふ怠惰な日だらう運命はあとからあとからとかげつてゆきさびしい病鬱は柳の葉かげにけむつてゐるもう暦もない 記憶もないわたしは燕のやうに巣立ちをし さうしてふしぎな風景のはてを翔つてゆかう...
萩原朔太郎 「青猫」
...後腐れといえば金五郎の方だが...
長谷川伸 「瞼の母 二幕六場」
...寧(いつ)その腐れ縮緬(ちりめん)着物で世を過ぐさうと思ふのさ...
樋口一葉 「わかれ道」
...前の腐れ鯛に対してここには古袴の破れて糸のほつれたるを附けたる作者用意の処なり...
正岡子規 「俳諧大要」
...デコボコの天井を不安定にささえている二三の支柱が既に折れ腐れて...
三好十郎 「胎内」
...心身すでに腐れ果て...
吉川英治 「三国志」
...「費(ひい)の腐れ儒者め...
吉川英治 「三国志」
...そういうふて腐れを父には露骨に見せたことが無いとはいえない...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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