...それだからふて腐れて赤いスエターを頭からすつぽりと被つて...
有島武郎 「骨」
...あたしには警視総監なんぞ狙うわけはないんだよ」お照は不貞腐れて天井の方に嘯(うそぶ)いた...
海野十三 「深夜の市長」
...親朝の腐れたる心には...
大町桂月 「秋の筑波山」
...天幕の持腐れは氣の利かぬ話也...
大町桂月 「北條より一ノ宮へ」
...山の奥に住んで立ち腐れの工事場を抱えて...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...そうして生命を亡(うしな)って腐れてしまった部分がいくらかはあると見える...
寺田寅彦 「初冬の日記から」
...天の照臨するところ星霜九年過ぎ去りて、今わが船の材は朽ち、繩は腐れぬ、かくてわが 135故郷に遠く恩愛の妻子淋しく日を送り、われを待ちつゝあるべきを、しかもわが軍遠征の基となりし業遠く容易く成就すべからず...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...孰(どれ)もこれも持腐れになってしまったのに落胆(がっかり)して...
徳田秋声 「あらくれ」
...『俺の今までの腐れ果てた無益な生活は...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...腐れた肉を貪(むさぼ)る有象無象(うぞうむぞう)の浅ましい骸(むくろ)を...
中里介山 「大菩薩峠」
...あんな男と一時腐れ合ったのは...
中里介山 「大菩薩峠」
...この滑稽の持腐れは思いきって発揮される!浮き出す度毎(たびごと)に...
中里介山 「大菩薩峠」
......
中島敦 「和歌でない歌」
...幼き恋は寸燐の軸木燃えてしまへばあるまいものを寐覚めの囁きは燃えた燐だつたまた燃える時がありませうかアルコールのやうな夕暮に二人は再びあひました――圧搾酸素でもてゝゐる恋とはどんなものですかその実今は平凡ですがたつたこなひだ燃えた日の印象が二人を一緒に引きずつてます何の方へです――ソーセーヂが紫色に腐れました――多分「話の種」の方へでせう...
中原中也 「幼き恋の回顧」
...後腐れのないように...
野村胡堂 「江戸の火術」
...上古の呪ひには斯る作法も種々有ただらうが、追々作法を廢して口計りで詛言を吐く事と成たは、同じ物語に、昔し男、宮の中にて或る御達(ごたち)の局の前を渡りけるに、何の仇にか思ひけん、よしや草葉のならんさが見んと云ければ、男「罪もなき人をうけひば忘れ草おのが上にぞおふと云なる、」是は一話一言十八に、童部の誓言に、大誓文齒腐れ、親の頭に松三本と云るは、頭に松を生ずる事には非じ、墓の木の拱せるを云るなるべしと有る如く、自死し墓の上に忘れ草が茂れと詛ふためだろ、忘れ草を墓に栽ゑた話は今昔物語三一に出づ...
南方熊楠 「詛言に就て」
...改正道路の裏にある腐れかけの四軒長屋の一区画がとりこわされて...
「朝の風」
...こうしてからだも心もくずれこわれて腐れかけて坐っています何かいうことがあった徹男さんカタカタカタと骨と骨とを打ち合せて私たちの前におどり出ていらっしゃい!こうなった私と...
三好十郎 「殺意(ストリップショウ)」
便利!手書き漢字入力検索