...肝腎(かんじん)の篤介(あつすけ)の姿は生憎(あいにく)この部屋には見当らなかった...
芥川龍之介 「春」
...「腎虚(じんきよ)しかかつてゐるのぢやアないか?」「ほんに...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...肝腎の藤村検校(けんげう)が出る頃には...
薄田泣菫 「茶話」
...心臓病とか腎臓病とかいふやうなものではない...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...肝腎のことは活字自體があらはしてゐる文字の正確さである...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...」兼太郎は肝腎(かんじん)な話をよそにして夜店で買った茶棚の盃を出し...
永井荷風 「雪解」
...肝腎の又六が殺されて了つては...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...肝腎(かんじん)のお比奈とやら...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...お糸坊は小柄で輕いから、これで塀(へい)さへ越せば、何んのわけはないと思つたが――」「どうした」「塀を越すところまで漕(こ)ぎつけた時、――こら待てツ――と、背後からお糸坊を(も)ぎ取られてしまつたんで、――彈(はず)みを喰つてあつしの身體は塀を越して向うの往來に轉げ落ち、肝腎のお糸坊は、あの用人野郎の手に生捕られてしまひましたよ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...肝腎の本人が昏睡状態で...
野村胡堂 「呪の金剛石」
...「ところが肝腎の山木の居所が判らない...
久生十蘭 「魔都」
...』お客はさっそく肝腎の話を持ちだして...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...ああこれは肝腎(かんじん)なことだった...
古川緑波 「牛鍋からすき焼へ」
...お父さんは腎臓に障害が起って居ります...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...島田のお母さんからお手紙で腎ウ炎をなすったのですって...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...けれども肝腎(かんじん)な劉表(りゅうひょう)がそれを許さない...
吉川英治 「三国志」
...肝腎なあの附近が...
吉川英治 「源頼朝」
...肝腎の夫人の決心がつかず...
和辻哲郎 「鎖国」
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