...肝腎(かんじん)の宝物に手をふれても...
海野十三 「暗号音盤事件」
...肝腎(かんじん)の潜水洞が見えません」「場所がちがっているのではないか...
海野十三 「地球要塞」
...肝腎の鸚哥はどこにも影さへ見られなかつた...
薄田泣菫 「茶話」
...肝腎な動力たる国防予算は少しも削られなかったのだから...
戸坂潤 「近衛内閣の常識性」
...「だが肝腎の酒が……飮み滓じゃあ……」「ちょうど二杯分殘ってる...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...」兼太郎は肝腎(かんじん)な話をよそにして夜店で買った茶棚の盃を出し...
永井荷風 「雪解」
...肝腎の百蔵はいつのまにか...
中里介山 「大菩薩峠」
...肝腎の頼朝公が不足していたんじゃあ...
中里介山 「大菩薩峠」
...善導和尚が浄土宗をたてた肝腎が書き記してある...
中里介山 「法然行伝」
...肝腎(かんじん)の仲人たるべき岡田はお兼さんを連れて来なかったので...
夏目漱石 「行人」
...肝腎(かんじん)のお倉は三日三晩の責めにも我慢を通して...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...――肝腎のお米は一と足先に入った曲者(くせもの)に刺し殺されていたんだそうです」「なるほどそいつは変っているな...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...肝腎(かんじん)の小僧に逢わずに来たのは大きな手落ちだ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...それにこりゃなかなか肝腎なことだがね...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「幸福への意志」
...貝原篤信先生は、ちと鼠から咬まされた物か、猫を至って不仁な獣と貶(けな)し、鼠は肉、肝、胆、外腎、脂、脳、頭、目、脊骨、足、尾、皮、糞皆能あり用うべし...
南方熊楠 「十二支考」
...しかし肝腎カナメの絵巻物の所在は依然として不明であった...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...けれども肝腎(かんじん)な劉表(りゅうひょう)がそれを許さない...
吉川英治 「三国志」
...肝腎(かんじん)なことは...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「にんじん」
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