...そして前の方が細くなつて後へ脹(ふく)れてゐる...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...その日一日は僕に対してまでも不機嫌な脹れ面をしているのだ...
大杉栄 「日本脱出記」
...その眼は開いたまゝで、物を考へてる跡もなく、顏は脹れて、黒くなり、鼻の孔からは一筋の血が流れ出してゐた...
ロバート・ルイス・スティーヴンソン 佐藤緑葉訳 「醫師と旅行鞄の話」
...手足も共に皮膚は腫脹(しゅちょう)と結痂(けっか)とにて恰(あだか)も頑癬(かさ)の如し...
関寛 「関牧塲創業記事」
...木を膨脹させるためにそれをそっくり池の凹(くぼ)みに漬けたときに...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...萎(しぼ)んだ軽気球が水素ガスを吹込まれると満足げに脹(ふく)れあがつて...
武田麟太郎 「日本三文オペラ」
...痩(や)せはてかつ脹(は)れぼったいその顔...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...看護婦に手伝わして横になろうとする時、眼を見張り、頬を脹らませ、唇をきっと結んで、さし招くような手付をした...
豊島与志雄 「幻の彼方」
...超銀河系と膨脹してゆく...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...それで函内の空気を乱さないで急激膨脹をさせるために...
中谷宇吉郎 「比較科学論」
...近来急に膨脹した生活慾の高圧力が道義慾の崩壊を促がしたものと解釈してゐた...
夏目漱石 「それから」
...咄嗟(とっさ)の間(かん)に膨脹(ぼうちょう)するかも知れません...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...少し脹(は)れっぽい顔には...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...枕の脹(ふく)らみ具合では...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...涙に濡れて脹つぽくさへなつて居るのに...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...これに反して「カイゼル・ウィルヘルム二世」は時速二三ノット半を平気で出しうる双スクリュー四段膨脹エンジンの性能を百パーセント発揮するために...
服部之総 「黒船前後」
...いっそ脹(ふくら)っ脛(ぱぎ)にかみついてやりたくなるほど...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...国債はいかに膨脹しても国家に極度に有害になることはあり得ないという意味では決してない...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
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