...併しそれを脱却する爲に僕は Dialectic の方向をどちらに進めればいゝのだ...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...人生の苦艱を増盛することによつて平淺と無味とから脱却することであるかも知れない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...彼がこの弱點を脱却する途は唯三つあるのみである...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...「己れ」の狹苦しさを脱却することは決して空想に止らないであらう...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...盗賊跋扈(ばっこ)というが如き悪俗から脱却することが出来れば...
大隈重信 「日支親善策如何」
...また彼らは女学生上がりが奥様風を好んで町人風を装うのを厭がる如く書生上がりの職人も昔の書生風を脱却するに逡巡躊躇するものの如く見える...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...外面の衣裳を脱却するときは...
高木敏雄 「比較神話学」
...それに早稲田に属する作者の欠点――平凡な自己描写と零細な感傷状態とから未だに脱却することが出来ないのはどうしたものか...
田山録弥 「三月の創作」
...それにも拘らずモナドは遂に個別化原理からの制約を脱却することが出来ない...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...第一の事実決定の真理は事実が吾々に対して持つ関係――一つの意味――を脱却する処に...
戸坂潤 「科学方法論」
...そしてこの撞着・対立を機械論に止まる限りどうしても脱却することは出来ないのである...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...我等はすべての因襲から脱却すること...
萩原朔太郎 「愛の詩集」
...第一に「新言語新材料を入るるべからず」という従来の規定を脱却するあたわざりしに因(よ)る...
正岡子規 「曙覧の歌」
...濫読はそれから脱却するための濫読であることによって意味を有するのである...
三木清 「如何に読書すべきか」
...この状態を脱却するためには...
三木清 「唯物史観と現代の意識」
...クリスチアーナという女の愛に失望したマリオ・ルドヴィッチ中尉が従来の生活環境と感情とから脱却するために...
宮本百合子 「イタリー芸術に在る一つの問題」
...そのために「最近の文章論の要求は」「自然主義的な文章をいかにして脱却するかというところに根本的な出発点をおかれ」ていると説かれているのである...
宮本百合子 「芸術が必要とする科学」
...全然現実から脱却する事は出来ない...
夢野久作 「能とは何か」
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