...文学者(ぶんがくしや)を以て大(だい)のンきなり大(だい)気楽(きらく)なり大(だい)阿呆(あはう)なりといふ事の当否(たうひ)は兎(と)も角(かく)も眼(め)ばかりパチクリさして心(こゝろ)は藻脱(もぬけ)の売(から)となれる木乃伊(ミイラ)文学者(ぶんがくしや)は豈(あ)に是れ人間(にんげん)の精粋(きつすゐ)にあらずや...
三文字屋金平 「為文学者経」
...そして衣裳を脱ごうとして...
海野十三 「恐怖の口笛」
...芥川龍之介P・S・僕は支那へ旅行するのを機會にやつと夫人の手を脱した...
小穴隆一 「二つの繪」
...秋になるとカイツブリ(Colymbus glacialis)がいつもやってきて池で羽毛の脱け換りをし...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...同時に氏は素人の域を脱して黒人(くろうと)の範囲に足を踏ん込んだ事になったので...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...そそくさと脱ぎ捨てて...
太宰治 「喝采」
...一時(とき)休ましてもらおう」道家は土間へ入って草鞋(わらじ)を脱ぎ...
田中貢太郎 「赤い土の壺」
...社会に向かって荒々しくつかみかかり窃盗によって困窮から脱せんと考えることは...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...この人間より脱出した人間の美しさを説くのである...
中井正一 「脱出と回帰」
...おかめ笹脱稾...
断膓亭日記巻之四大正九年歳次庚申 「断腸亭日乗」
...沓脱(くつぬぎ)へ下りた...
夏目漱石 「永日小品」
...こう猫の習癖を脱化して見ると三毛子や黒の事ばかり荷厄介にしている訳には行かん...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...少し脱俗した顏で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...他者によつてのみ規定され從つてあらゆる媒介的規定の制約を離脱した點において...
波多野精一 「時と永遠」
...早速に旅行へ伴れ出すのを慣ひとしたので誰の眼にも発見されずに時機を脱したことも屡々だつた...
牧野信一 「気狂ひ師匠」
...ユックリと道中半合羽を脱ぎ仕度をする...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...今の闇を脱する光明をつかみたい...
吉川英治 「親鸞」
...一面には明治士族のコチコチな頑固な道義観念から脱けきれていず...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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