...忽(たちま)ち厚い硝子越しに脈々たる春風の伝はるのを感じ...
芥川龍之介 「僻見」
...兎(と)に角(かく)生命の脈々たる歌であるのだ...
伊藤左千夫 「歌の潤い」
...脈々たる幽香に護られて...
大町桂月 「杉田の一夜」
...その文化伝統が名もなき仏師のうちにすら脈々と生きているのだ...
高見順 「仏像とパゴダ」
...脈々とした哀愁が私の胸を打った...
田山花袋 「『田舎教師』について」
...脈々として一筋の綱のようにつながっている...
中井正一 「知識と政治との遊離」
...まず脈々として遠く寄せて来る大洋の波ですな...
中里介山 「大菩薩峠」
...脈々として心琴をうつものがある...
中里介山 「大菩薩峠」
...脈々として流れていた...
中谷宇吉郎 「日本のこころ」
...その裏に脈々として続く道を見るまでは...
中谷宇吉郎 「由布院行」
...脈々三千条の血管を越す...
夏目漱石 「虞美人草」
...脈々たる連絡の存してゐることを感得するのであらう...
濱田耕作 「埃及雜記」
...しかしその一見冷い中にも修行者の集中した精神力から自然に迸る生気は脈々として感ぜられる...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...やはりそういう厳しいやさしさを脈々と感じました...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...育つものを脈々とつたへてくる美術にふれたい...
吉川英治 「折々の記」
...当年の面影が脈々と汲みとれる所に尽きないおもしろさがある...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
...若い功名心が、脈々と、肋骨(あばら)のうちに張りつめる...
吉川英治 「宮本武蔵」
...悪鬼の血潮が脈々と波打っているかのようであった...
蘭郁二郎 「腐った蜉蝣」
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