...帆村はピストルを構えてカーテンの脇からぬっと入ったものの...
海野十三 「千早館の迷路」
...婢(じょちゅう)が客を玄関脇から伴(つ)れて来たところであった...
田中貢太郎 「春心」
...しばらくしてから私は机の脇から蒲團の下にそつと...
近松秋江 「初雪」
...ふらふらしないよう私が脇から支えなくてはなりません...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「緋のエチュード」
...その時脇からうまくその列に割り込んで...
中谷宇吉郎 「抗議する義務」
...槍の穂はお夏の両脇から肩へ抜けて...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...私の肩の脇からテルヨの眼が凜と光つて水鏡に映つてゐるのを見たが...
牧野信一 「天狗洞食客記」
...脇から見てもハラハラする...
牧野富太郎 「植物記」
...脇から険しい声を立ててきた...
正岡容 「寄席」
...痛い事も痛いであろうが脇から見て居ってもあんまりいい心持はしない...
正岡子規 「死後」
...井戸の脇からもっと歌えなどとわめいている...
柳田国男 「雪国の春」
...「あんた」とおたねが脇から云った...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...「手提ならここにありますよ」火鉢の脇から手提を取って...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...「私はあのお豊という娘に恩があるのです、それを三平という男が難題をふきかけるものだから、些(いささ)か恩返しのつもりで伴れて出たのです」「うるせえ、そんな御託は、たくさんだ」と、安が、脇からどなった、「きれいな口をききゃあがって、ほんとのところはお豊をかどわかしてゆき、どこかのしまへでも叩き売るつもりだろう、銀流しみてえな面あしやがって、わかってるぞ、こん畜生」「まあ待て」と、本野という浪人が云った、「貴公は、お豊の素性を知るまい、いまどういう事が起こっているかも知らぬだろうが、あの女にはいろいろわけがあり、いまは仕合せになれる運がまわって来ているのだ」「仕合せですって」「さよう、またとない幸運と云ってもよかろう、だからここで」「もうよそう、むだな問答だ」と、幹太郎が云った、「私は三平の云うことを聞いた、あんな若い娘ひとりを、みんなが食いものにしようとしていることも、見当がつく、もう充分だ」「貴公は、信じないのか」「私は、お豊をもらうよ」「待ちゃあがれ」安が喚いた...
山本周五郎 「花も刀も」
...――」万三郎が脇から覗(のぞ)いた...
山本周五郎 「風流太平記」
...店の脇から出て小走りに通りのほうへ急いでいった...
山本周五郎 「柳橋物語」
...脇から眺めていた...
山本周五郎 「夕靄の中」
...おれにはそれがわからないんだ」「あの失礼でございますが」脇から老女がおそるおそる云った...
山本周五郎 「夕靄の中」
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