...獨り脆弱なる否定者にのみ惠まるゝ人生の味であらう...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...逆に防禦の能力の脆弱な戦闘...
石原莞爾 「戦争史大観」
...しかしその脆弱な病躯(びょうく)中には鉄石の如き精神が存在していた...
大隈重信 「新島先生を憶う」
...すなわち私は脆弱な神経を叩き直すことができなかった...
高見順 「如何なる星の下に」
...この先き何十年と云ふ長い間を自分の脆弱な腕の先きに纒繞(まつは)つて暮らすのかと思ふと...
田村俊子 「木乃伊の口紅」
...智能の脆弱な者がこの道を自分も歩まねばならぬと信じると悪いから...
デカルト Renati Des-Cartes 三木清訳 「省察」
...即ち彼等のイデオロギー一般が今日すでに如何に脆弱なものでしかないかを証拠立てている...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...實は脆弱なる安全なり...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...実は脆弱なる安全なり...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...而かも此脆弱なる岩頭...
長塚節 「草津行」
...此講演の論證の基礎とした根本材料の甚脆弱なものであることである...
原勝郎 「鎌倉時代の布教と當時の交通」
...その基礎が脆弱なことに気づくことはたやすいことだ...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...事実の暗礁の中をよけて通つてゆかねばすぐに壊れてしまふ程脆弱なものだからである...
平林初之輔 「諸家の芸術価値理論の批判」
...そしてその刹那に氏の脆弱な公式は粉微塵に破砕してしまつたのである...
平林初之輔 「諸家の芸術価値理論の批判」
...すなはち、それらの脆弱な、假初の、地上的なものを、その本質が我々のうちに「見えざるもの」となつて蘇つてくるほど、深く、切なく、熱烈に、我々の心に刻すること...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 堀辰雄訳 「ドゥイノ悲歌」
...ほんのわずかの航海しかできない脆弱なものであったに相違ない...
柳田国男 「故郷七十年」
...脆弱なる地皮より熱漿を吐く如く...
横瀬夜雨 「花守」
...それに脆弱な花のように...
渡辺温 「ああ華族様だよ と私は嘘を吐くのであった」
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