...「誰も外(ほか)に居ないのか」宇治は何か脅えるような気持にそそられ...
梅崎春生 「日の果て」
...乾いた瞳に絶えず脅えた表情がよみとられた...
田中英光 「さようなら」
...」英子は物に脅えたように息をつめた...
豊島与志雄 「運命のままに」
...綱手は、恐怖と、脅えとに、眼を閉じたが、火の、炎々としているのは、よく見えていた...
直木三十五 「南国太平記」
...モーナルーダオは自分たち仲間一同が逮捕され留置されることの想像に脅えた...
中村地平 「霧の蕃社」
...脅えた顏を揃へて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...雑沓のなかにゐながらも絶えず芳子の心は脅えた...
原民喜 「稲妻」
...脅え上つて一睡もしようとしない神経があつた...
原民喜 「飢ゑ」
...その夢に脅えながら悶(もだ)えることができた...
原民喜 「苦しく美しき夏」
...闇の話にのぼせ日夜前途の不安に脅えてべちやくちやと僕の傍で喋べくるのですからかなひません...
原民喜 「書簡」
...ものに脅えてゐるやうな...
原民喜 「小さな村」
...そのものに脅えたやうな燃える眼は...
原民喜 「廃墟から」
...そんなに戦き脅えながら...
原民喜 「火の唇」
...姉の眼のなかには深淵に脅えるものと憧れるものとが混りあつてゐたやうだ...
原民喜 「火の子供」
...脅えてしまうから」珠子さんが長謙さんの肩へ両手をかけて自分のほうへひきよせた...
久生十蘭 「だいこん」
...わッと声を出した」脅えたような目付をして...
久生十蘭 「魔都」
...まるで何かに脅えているみたい...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「くちなしの花」
...彼らの皮膚は脅えている...
本庄陸男 「石狩川」
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