...」と、一生懸命に問いかけますと、能弁な泰さんは、「それがさ、」とゆっくり前置きをして、「何しろあんな内気な女が、二三度会ったばかりの僕の所へ、尋ねて来ようと云うんだから、よくよく思い余っての上なんだろう...
芥川龍之介 「妖婆」
...京都は頻りに能弁な眼をK夫人に向けていましたが...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「耳香水」
...能弁なる彼は我輩に一言の質問をも挟さましめざるほどの速度を以て弁じかけつつある...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...インクの流れるように能弁な万年筆の行商人にも! それでも...
谷譲次 「踊る地平線」
...能弁な彼女の弁解も聴(き)かなければならなかった...
徳田秋声 「仮装人物」
...能弁な眼付でそれを補おうとつとめたが...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...検事を能弁なる訴訟解釈者と言い...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...今度はいいかげんにおっぽり出すと承知しないぞ」能弁な丸山勇仙がしきりにまくし立てる...
中里介山 「大菩薩峠」
...非常に能弁な代りによく意味が通じないで困る...
夏目漱石 「虞美人草」
...このしとやかで能弁な...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...しかし彼よりは能弁な吉田は...
夏目漱石 「道草」
...非常に能弁な京都言葉を操(あやつ)る四十ばかりの細君がいて...
夏目漱石 「門」
...能弁なる彼は我輩に一言の質問をも挟(さしは)さましめざるほどの速度をもって弁じかけつつある...
夏目漱石 「倫敦消息」
...次々の幻灯に随つてよろしく御笑覧のほどを……」他所の人がゐないと仲々能弁な私が...
牧野信一 「熱海線私語」
...あれだけ能弁な手紙が書けながら...
牧野信一 「手紙」
...いったいだれの娘だったのでございましょう」能弁な人であったから...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...能弁な士を呉へ使いに立てて...
吉川英治 「三国志」
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