...心の胸底に想いを秘める...
...彼の言葉には胸底に響くものがあった...
...喜びのあまり胸底が熱くなった...
...いい返事をもらえて胸底がすっきりした...
...胸底に穏やかな気持ちが広がっていった...
...彼の胸底を吹いていた春風は...
芥川龍之介 「或日の大石内蔵助」
...常に予が胸底に蟠(わだかま)れる...
芥川龍之介 「開化の殺人」
...最早毛程も自己といふものを胸底に殘し置くことは出來ない...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...私の胸底の画像と言っても...
太宰治 「惜別」
...全く時間の懸隔なく深くわが胸底(きょうてい)に浸(し)み入りて常に親密なる囁(ささや)きを伝ふる所以(ゆえん)けだし偶然にあらざるべし...
永井荷風 「江戸芸術論」
...平生(へいぜい)胸底に往来している感想に能(よ)く調和する風景を求めて...
永井荷風 「放水路」
...わたくしの胸底(むなそこ)には先刻お雪が半(なかば)冗談らしく感情の一端をほのめかした時...
永井荷風 「※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]東綺譚」
...とにかく球突塲(たまつきば)といふものはちよつと變(かは)つた人間的(げんてき)空氣(くうき)の漂(たゞよ)ふもので球(たま)の響(ひゞ)きの内には時とすると妙(めう)に胸底(むなそこ)に沁(し)みわたるやうな一種(しゆ)の神祕感(ひかん)が感(かん)じられる...
南部修太郎 「文壇球突物語」
...生(ライフ)の胸底に響く孤独感を訴えるから...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...あなたの映像はそれほど深く僕の胸底に沁み込んでゐたわけです...
牧野信一 「階段」
...いつの間にかしらそんな憂鬱病を胸底深く掻き抱くやうになつてゐる私とは露知らずに...
牧野信一 「サロメと体操」
...少年時代を浅草におくつた私の胸底には...
正岡容 「異版 浅草燈籠」
...私たち数人の観衆はこの文化映画として紹介されているもののつめたさに対して何か人間としてのむしゃくしゃが胸底に湧くのを禁じ得なかった...
宮本百合子 「映画の語る現実」
...胸底に決してゐたに違ひない...
吉川英治 「折々の記」
...胸底の気を吐いてしまった...
吉川英治 「三国志」
...古人の胸底をさぐる秘鍵(ひけん)として...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
...かれの胸底にひそんでいる剣侠的な情感は...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...もっとあッさりした正直なお別れの念が胸底からわいてくるかも知れぬ...
吉川英治 「落日の荘厳に似る」
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