...心の胸底に想いを秘める...
...彼の言葉には胸底に響くものがあった...
...喜びのあまり胸底が熱くなった...
...いい返事をもらえて胸底がすっきりした...
...胸底に穏やかな気持ちが広がっていった...
...最早毛程も自己といふものを胸底に殘し置くことは出來ない...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...もし不愉快でも妻子のにおいがなお僕の胸底にしみ込んでいるなら...
岩野泡鳴 「耽溺」
...正造の胸底には有形上の貧窮より遙かに切迫した憂苦が巣喰っていた...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...私の胸底の画像を...
太宰治 「惜別」
...胸底に於(お)いていささか閉口の気もありました...
太宰治 「たずねびと」
...このよろこびをわれ一人の胸底に秘するも益なく惜しき事に御座候えば...
太宰治 「不審庵」
...彼の胸底には、武将としての野心の外に、そう云うものとは甚だ縁の遠い、甘い、やさしい、綿々たる恋情が潜(ひそ)んでいたであろう...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...されど解きても融(と)け難き一塊の恨みは深く深く胸底に残りて...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...周囲の人々の胸底に反響を見出してるかどうかを...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...そのうちには新酒の蓋あけのころともなって秋の深さは刻々に胸底へ滲(にじ)んだ...
牧野信一 「鬼涙村」
...そのうちには新酒の蓋あけのころともなつて秋の探さは刻々に胸底へ滲んだ...
牧野信一 「鬼涙村」
...胸底は疳癪の火であるのみであつた...
牧野信一 「夜見の巻」
...」これは会衆の胸底から出た叫びだった...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「なぐり合い」
...矢代は胸底から揺れ動いて来る怒りを感じて青くなった...
横光利一 「旅愁」
...がただ一つ、兄上の胸底には、いまなお、鑁阿寺(ばんなじ)の置文(おきぶみ)が、お忘れなくあるのかないのか、それだけが」「気がかりか」「気がかりです」「はははは」尊氏は、初めて笑い出して...
吉川英治 「私本太平記」
...一構想をひとり胸底に抱いていたのだった...
吉川英治 「新書太閤記」
...胸底に決していたに違いない...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
...ゆるく、的(あて)なく、一歩一歩と踏む足には力をこめたが、胸底の憂暗、かれの横顔をおそろしく青くみせた...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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