...暗々の裡(うち)に論理と背馳(はいち)して...
芥川龍之介 「或日の大石内蔵助」
...しかし我輩の考うる一大教訓とは全く背馳(はいち)して...
大隈重信 「列強環視の中心に在る日本」
...おそらくその目的に背馳するでありましょう……」陸奥は烱々とひかる眼光を左右の議席へそそぎかえつつさすがに貫禄を示して鋭く説きすすめた...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...此の如きは時代精神と背馳してゐます...
オイゲン・チリコフ Evgenii Nikolaevich Chirikov 森林太郎訳 「板ばさみ」
...それはとにかく彼がミュンヘンの小学で受けたローマカトリックの教義と家庭におけるユダヤ教の教義との相対的な矛盾――因襲的な独断と独断の背馳(はいち)が彼の幼い心にどのような反応を起させたか...
寺田寅彦 「アインシュタイン」
...この二人はどうもとても性質が相背馳(あいはいち)しているようだからね...
コナン・ドイル 三上於莵吉訳 「自転車嬢の危難」
...いわゆる重臣ブロックの持つ萎微退嬰の消極的指導方針は国運の進展を阻害しわが党の積極的方針とは背馳するものがあるから...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...この言葉自身が国憲に背馳するものだというらしい...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...その永久不変の使命に背馳(はいち)することになるのであります...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...斯る謹厳方正なる風采家と背馳するの行動あるを怪事とし...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...自分の理想と背馳(はいち)する種々なこまかい昼間の出来事を...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...もしそれが一般の意見に背馳(はいち)するようなものであるときには...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...私たちの愛は結婚とは相背馳するような種類のものだったかも知れない...
豊島与志雄 「常識」
...作意(モーティフ)と出来上った結果とが背馳してしまうんだ...
豊島与志雄 「二つの途」
...また背馳(はいち)するかを見たい心掛である...
新渡戸稲造 「平民道」
...べつに背馳するわけでない...
服部之総 「志士と経済」
...はなはだしきは相互(あいたがい)に背馳(はいち)するものもあるに似たれども...
福沢諭吉 「教育の目的」
...但し作者は近頃の文壇の流行に背馳して誇大な發想や...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
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