...傍(かたわら)なる苫屋の背戸に...
泉鏡花 「悪獣篇」
...あの氷月の背戸あたり...
泉鏡花 「薄紅梅」
...つい今しがたまで背戸山の森は木枯(こがらし)に鳴っていたのである...
伊藤左千夫 「新万葉物語」
...風呂の前の方へきたら釜の火がとろとろと燃えていてようやく背戸の入り口もわかった...
伊藤左千夫 「隣の嫁」
...涼しそうな背戸山では頻(しき)りに蜩(ひぐらし)が鳴いてる...
伊藤左千夫 「姪子」
...やがて亭主は背戸に柿の木をたくさんに植えた日当りのいい村道らしいものに沿うた一軒の藁葺(わらぶき)屋根の前で立ち止まると...
橘外男 「逗子物語」
...いつものように背戸の姉ちゃんに救いを求め...
壺井栄 「赤いステッキ」
...背戸の山腹にある豆腐作りの小屋...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...母は父が庭へ出たり背戸(せど)へ下りたりする元気を見ている間だけは平気でいるくせに...
夏目漱石 「こころ」
......
野口雨情 「枯草」
...「背戸」(第一頁其他)とは家の裏のことです...
野口雨情 「十五夜お月さん」
...みそさざいわたしの姉さん篠藪でさつさ お背戸の鷦鷯(みそさざい)誰にも言はずにゐてお呉れ去年の暮にも篠藪でさつさ お背戸の鷦鷯誰にも言はずにゐてお呉れ...
野口雨情 「別後」
...かなかな蝉初恋(はつごひ)でせう 背戸山でかなかな蝉が鳴いてます別れて遠き君ゆゑに「別れました」と言ひました初恋でせう 背戸山でかなかな蝉が鳴いてます...
野口雨情 「別後」
...そこで背戸(せど)へはいって...
マロ Malot 楠山正雄訳 「家なき子」
...背戸(せど)口の戸をかすかにゆすぶっていた...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...背戸口に立って再び振り返って見ると...
柳田国男 「山の人生」
...背戸(せど)の方で娘たちの賑(にぎ)やかな声が聞え...
山本周五郎 「似而非物語」
...背戸から出て小さな岡を越えると其處に一つの谷が流れて兩岸にやゝ平な野原があり...
若山牧水 「樹木とその葉」
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