...するとポプラア倶楽部(クラブ)の芝生(しばふ)に難を避けてゐた人人もいつ何時(なんどき)隣の肺病患者を駆逐(くちく)しようと試みたり...
芥川龍之介 「大正十二年九月一日の大震に際して」
...去年は肺炎、今年は狭心症、来年は脳溢血か、――希くはころり徃生であらんことを...
種田山頭火 「其中日記」
...肺でしょうか」「肺ですな……もう両方とも悪くなっている!」荻生さんはどうすることもできなかった...
田山花袋 「田舎教師」
...肺病さ...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「追放されて」
...肺結核でそこに転地しているある人を見舞いに行って一晩泊まった時がちょうど旧暦の盆の幾日かであった...
寺田寅彦 「田園雑感」
...「この猫は肺でもわるいんじゃないか」と言ったらひどく笑われてしまった...
寺田寅彦 「ねずみと猫」
...病気は肺病だという評判もあったが...
徳田秋声 「足迹」
...あれは右の肺がなくなッて...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...いよいよ肺結核の忌まわしき名をつけられて...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...清凉な空氣が肺臟に浸(し)みわたるやうな氣がしました...
永井荷風 「畦道」
...それで左の手がブラブラだ」「へえ」「頸椎(くびのほね)には異状がない」「へえ」「胸脇(むねわき)の骨が折れて肺へでも触(さわ)ろうものなら見込みはないが...
中里介山 「大菩薩峠」
...岬の丘の上には肺病か何かの療養所があると云ふ事でした...
林芙美子 「大島行」
...或は持病であると云ふ肺結核患者の特徴が現れて居たのかも知れない...
平出修 「逆徒」
...肺結核その他一般の慢性病の療法において抵抗療法の主唱者であり...
平林初之輔 「小酒井不木氏」
...その抜き手のためには何とつよい腕と肺活量がいることでしょう...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...肺門のところのかげをさしたのよ...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...いつぞや肺病で死んだニーナさんが寝かされていたその寝台(ベッド)の上に...
夢野久作 「支那米の袋」
...――私が肺病に見えますか』と...
蘭郁二郎 「腐った蜉蝣」
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