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饗庭篁村 「木曾道中記」
...惣助ッて肴屋(さかなや)さんが一所なの...
泉鏡花 「婦系図」
...肴は十分ある」と云った...
田中貢太郎 「赤い土の壺」
...南は酒と肴を持ってまた廷章の家へ往った...
田中貢太郎 「竇氏」
...六日ぶりの酒肴である...
種田山頭火 「其中日記」
...謂わば酒の肴にしたのでしょうか...
豊島与志雄 「未亡人」
...半ぺんを肴(さかな)に...
中里介山 「大菩薩峠」
...膳の上に満足な肴の乗っているのは一つもない...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...二牛込肴町(うしごめさかなまち)に町道場を開いている...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...世は御方便や商賣がらを心得て口取り燒肴とあつらへに來る田舍ものもあらざりき...
樋口一葉 「にごりえ」
...鮨の上にのっかっている鮪や穴子を上剥ぎして酒の肴の代わりにした...
正岡容 「寄席」
...酒肴(しゅこう)の用意をととのえろ! ほほう! ほほう! 何ともいえぬ眺めじゃなあ」「おのれ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...酒の肴(さかな)に説教もオツだ...
三好十郎 「廃墟(一幕)」
...乾物類の肴(さかな)でお座敷の人々へは酒杯が勧められた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...わたくし共も肴を手掴みにして取つた事がある位です...
コロレンコ Vladimir Galaktionovick Korolenko 森林太郎訳 「樺太脱獄記」
...美酒佳肴(かこう)の配膳(はいぜん)にもぬかりはなかった...
山本周五郎 「思い違い物語」
...「あんまりせかせかするなよ」と栄二は座敷へあがりながら云った、「眼まぐるしくってしようがねえじゃねえか」「みんなにそう云われるのよ」と女は肩をすくめてみせた、「お酒とお肴、お肴はなんにしましょうか」「めしを喰べて来たんだ、腹に溜らねえ物を二つか三つもらおう」「あのときとそっくりね」女は栄二を見、それからさぶを見た、「一人ずつだとわからなかったかもしれないけれど、二人いっしょだからすぐにわかったわ、あ、そうじゃなかった、このまえのときあんたたちが帰ってからわかったのよ、あっ、あの人たちだなって」「うるせえな」と栄二が眉をしかめた、「早く注文をとおして来いよ」「その、うるせえなっていうの」と云って女は栄二の前へ自分の顔をさしだした、「――あたしのこと、覚えていない」「似ているのは知ってるよ」「似ているって、あたしじゃなく」栄二はおそのに似ていると思い、鼠が食いつこうとおもっていた、という言葉を回想して笑いそうになった...
山本周五郎 「さぶ」
...わしを肴(さかな)に飲まれてたまるものか」「否...
吉川英治 「三国志」
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