...素早(すばや)い女中の働きで酒肴(しゅこう)がととのえられていた...
有島武郎 「或る女」
...これに反して蟹江の方の肴はたった一皿で...
梅崎春生 「Sの背中」
...肴(さかな)はもちろん鰈(かれい)の煮付けです...
梅崎春生 「Sの背中」
...またその肴を盛ってある器も...
田中貢太郎 「賈后と小吏」
...今日の珍談は、湯田で大行司の御神酒を頂戴したことだつた、コツプ酒一杯、串肴一本...
種田山頭火 「其中日記」
...謂わば酒の肴にしたのでしょうか...
豊島与志雄 「未亡人」
...女中が持運ぶ蜆汁(しじみじる)と夜蒔(よまき)の胡瓜(きゅうり)の酸(す)の物秋茄子(あきなす)のしぎ焼などを肴(さかな)にして...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...肴屋(さかなや)だって――なろうと思えば...
夏目漱石 「二百十日」
...肴(さかな)は煮しめらしい...
夏目漱石 「夢十夜」
...別室で酒肴を頂いて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...お肴(さかな)は何(なに)をと答(こた)ふ...
樋口一葉 「にごりえ」
...肴屋の酒乱を加へたるものなるが...
三木竹二 「明治座評」
...席上には酒肴(しゅこう)を取り寄せ...
森鴎外 「細木香以」
...燗鍋(かんなべ)のかかった火鉢の側に酒肴(しゅこう)の膳(ぜん)...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...馳走をするような調子で酒肴(さけさかな)を取寄せる上に油断すると女まで呼ぶ...
夢野久作 「斬られたさに」
...まるで洗濯石鹸(あらいしゃぼん)を揉むようで……その水を汲み換え汲み換え泡の影が無(の)うなるまで揉みました奴の三杯酢を肴(さかな)にして一杯飲もうモノナラその美味(うま)さというものは天上界だすなあ...
夢野久作 「近世快人伝」
...其れを囲んで軽い冷肉(ひやにく)と菓子とを肴(さかな)にボルドオとヴウヴレエとの杯(さかづき)を挙げ乍(なが)ら...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...いつも肴(さかな)は塩鮭(しおざけ)ときまっている...
吉川英治 「梅※[#「風にょう+思」、第4水準2-92-36]の杖」
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