...この京育ちの美女は後者に属しているらしく...
太宰治 「新釈諸国噺」
...ぎょっとして、あわてて精進揚げを呑みくだし、うむ、と首肯(うなず)くと、その女は、連れの職工のおいらんのほうを向いて小声で、育ちの悪い男は、ものを食べさせてみるとよくわかるんだよ、ちょっちょっと舌打ちをしながら食べるんだよ、と全くなんの表情も無く、お天気の事でも言っているみたいに澄まして言うのでございます...
太宰治 「男女同権」
...よい育ちのかたばかりなのに...
太宰治 「道化の華」
...堂上家(どうじょうけ)の娘を母に持つ都育ちの夫人が...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...育ちます間はやはり母親だけの感化を受けるように致しませんでは」「でも音楽学校へはあたし行きますわよ」とエカテリーナ・イヴァーノヴナが言った...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「イオーヌィチ」
...如何にも育ちは良いらしく...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...育ちのせゐか垢拔(あかぬ)けがして...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...お由良は幾松と一緒に育ちました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...武家育ちらしい堅苦しさはなく...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...もとより一腹(ぷく)一対(つゐ)の中に育ちて他人交ぜずの穏かなる家の内なれば...
樋口一葉 「たけくらべ」
...生まれも育ちもこの邸宅ですし...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...その後半世紀の間に日本が内部で伸び育ち...
水野葉舟 「言文一致」
...阿蘭が農奴として育ち農婦として大地を愛して生きる強さ...
宮本百合子 「映画の語る現実」
...浅草育ちのはすはな娘だ...
山本周五郎 「青べか日記」
...なにしろお武家育ちだから...
山本周五郎 「末っ子」
...沼育ちのあくも抜け...
山本笑月 「明治世相百話」
...余りにもその育ち盛りの眼や耳や行動や知性を...
吉川英治 「新書太閤記」
...その育ちざかりも窮乏のどん底であった...
吉川英治 「新書太閤記」
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