...幸子は先代の蒔岡家が全盛を極めた時代に育ち...
谷崎潤一郎 「細雪」
...雪子が例の、先方にばかりしゃべらせて、唯(ただ)はあはあと受け答えしたであろうことは想像に難くないのであるが、それでも妙子から聞いているところでは、田舎育ちの、まだ都会馴(な)れない二十一二の娘だと云うその妹が、兄の身を案じるあまり非常な決断と勇気を以て懸けて来た電話であることは、その息づかいと語調に依(よ)っても察しられたので、承知しました、直(す)ぐ東京へ云ってやりますと云って、早速彼女はあの処置を取ったのであった...
谷崎潤一郎 「細雪」
...何と云ってもお嬢さん育ちのところがあって...
谷崎潤一郎 「細雪」
...下町育ちらしい束髪の細君が...
徳田秋声 「足迹」
...寅歳生れの人の家には猫は育ちにくいとの巷説があるが...
豊島与志雄 「猫先生の弁」
...若樣育ちの一遊蕩兒が身の毛もよだつやうな兇猛な殺人鬼と變つた眞の原因は...
南部修太郎 「死の接吻」
...いかにも育ちは良いらしく...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...――育ちが違ひますよ」「すつぽんは喰ひつくと雷鳴(かみなり)がなる迄離れないといふぜ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...武家育ちの二十七八の青年は...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...育ちの貧しい長屋の娘には...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...お前はどうせ島育ち...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...氏も育ちも良いし...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「ギルレイ」
...生まれも育ちもこの邸宅ですし...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...この暖国産の桜が意外にも熱海でワケなくよく育ちよく開花するので...
牧野富太郎 「植物記」
...その娘さんやっぱりハワイ生れ、ハワイ育ち、とこやさんです...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...失礼をつかまつった」その中年の侍は古風な育ちとみえ...
山本周五郎 「ひとごろし」
...黒田五十五万石を物の数とも思わぬ海千山千の隠密育ちに違いない...
夢野久作 「狂歌師赤猪口兵衛」
...人間は永久(とこしへ)うらわかき母の慈愛に育ちゆく...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
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