...岡はさすがに育ちだけに事務長と葉子との間のいきさつを想像に任せて...
有島武郎 「或る女」
...私の生まれ育ちましたのは...
上村松園 「画筆に生きる五十年」
...お金持の育ちだったことを忘れていました...
太宰治 「燈籠」
...育ちの卑しい馬鹿な女ですから...
太宰治 「ろまん燈籠」
...何と云うても娘(とう)ちゃん育ちで...
谷崎潤一郎 「細雪」
...坊っちゃん育ちだから...
徳田秋声 「縮図」
...貧しい中に育ち、何の教育も受けていないが、少年ネルロは、まさしく天才の素質を持っていたのです...
マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメー Marie Louise de la Ramee 菊池寛訳 「フランダースの犬」
...金銀そのものの価値を知らないお姫様育ちの娘ではないということの...
中里介山 「大菩薩峠」
...旦那は上方育ちで...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...その心もその身体(からだ)と同じように丈夫に美しく育ちたいと熱心にのぞむ本能(ちから)を与えられているのだと私は思っている...
羽仁もと子 「最も楽しい事業」
...こゝを育ちの土地とする女房とはる/″\見物に及んだが...
正岡容 「根津遊草」
...彼れの心の底で育ちかけているのも看過(みすご)しがたかった...
松永延造 「ラ氏の笛」
...冬中雪に被われているような場所に作られたチューリップはとくによく育ち...
三澤勝衛 「自力更生より自然力更生へ」
...そこに生れ育ち栄えた民藝はその種類において...
柳宗悦 「北支の民藝(放送講演)」
...氏(うじ)からいっても育ちからいっても...
山本周五郎 「日本婦道記」
...お豊は育ちが違うんだ...
山本周五郎 「花も刀も」
...流石に育ちは争われぬもので...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...人間の育ちは、太陽も土壤も、じつは自分の中に有るものによらなければ木の芽をふいて來ないからである...
吉川英治 「折々の記」
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