...一向きの肯定は夢遊である...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...詩の存在の理由を肯定する唯一つの途である...
石川啄木 「弓町より」
...僕はひとり肯(うなず)いて扉に手をかけた...
海野十三 「深夜の市長」
...しきりにひとりで肯(うなず)いて...
海野十三 「什器破壊業事件」
...明智の肯くのを見ると...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...ひそかにこっくり首肯して...
太宰治 「愛と美について」
...私は思惟するものである、すなわち疑い、肯定し、否定し、わずかなことを理解し、多くのことを知らぬ、欲し、欲せぬ、なおまた想像し、感覚するものである...
デカルト Renati Des-Cartes 三木清訳 「省察」
...西田哲学が「我」と「汝」という個人(個)の相互の否定的対立を介しての肯定とも云うべき弁証法的関係によって...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...「奥さんはあまり肯定的ではなかったが...
外村繁 「落日の光景」
...後半は今でも猶肯定しない...
豊島与志雄 「運命のままに」
...それが……噂の通りだと君自身で肯定するなら...
豊島与志雄 「反抗」
...昔を思い出した」「そう」と三千代は耻(は)ずかしそうに肯(うけが)った...
夏目漱石 「それから」
...公然とまずいものをお聞かせできるものでない」女王は二人とも弾くのを肯(がえん)じない...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...死刑の宣告以上に怖ろしいものである事は現代の婦人の……特に少女の心理を理解する人々の容易に首肯(しゅこう)し得るところであろう...
夢野久作 「少女地獄」
...その通りであると肯定(こうてい)しているものの如くである...
吉川英治 「三国志」
...秀吉がいう嫡孫承祖(ちゃくそんしょうそ)の正論に肯定を余儀なくされたというだけのものではない...
吉川英治 「新書太閤記」
...肯(き)かないのである...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...どんなに満足か知れますまい」そういって肯(き)かなかったのである...
吉川英治 「日本名婦伝」
便利!手書き漢字入力検索