...兩脇ばらより肩さきへ突き通され...
大町桂月 「宗吾靈堂」
...たゞ肩さきを擦りつけて手さきを動かしてゐるだけだ...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...カーテン越しに顔と片っ方の肩さきだけ覗(のぞ)かせながら...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「可愛い女」
...槍のほさきはブッちがいに左右の肩さきにぬけて...
野村胡堂 「幻術天魔太郎」
...肩さきがぬれるほどな細かな雨だった三人分の三等寝台を買いに行って貰ったが...
林芙美子 「田舎がえり」
...とがつたやうな左の肩さきに...
林芙美子 「就職」
...死人を見てゐると、生命への煮えたぎるやうな感覺が、素肌の肩さきに、腕に、ふくらはぎに、電氣のやうに熱くしびれて感じられる...
林芙美子 「ボルネオ ダイヤ」
...こちらは、五助、どんより曇って、月もない、杜下径(もりしたみち)、茅萱のなびいた、蔭につれ込むと、小声になって、「甚太郎――話と申すはな――」正直な男、「は、何でござりまするで――」と、前屈みに、身を寄せた瞬間!――シュッ!と、いうような、かすかな音がしたのは、抜き討ちの一刀が、鞘(さや)ばしった響き――――ピュウッ!と、刃風が立って、ズーンと、この無辜(むこ)の庶民の、肩さきから、大袈裟に、斬り裂いた...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...しつかりと蟹のやうに肩さきの凸起したところに...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
...緊張してゐた氣の弛みが一度におし寄せたやうに瘠せた肩さきをしやくるやうに顫はせて私の胸のところに顏をよせつけた...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
...煩(うる)さそうに肩さきを振って...
室生犀星 「お小姓児太郎」
...女!」多門はそう言って抜打(ぬきう)ちに女の肩さきを斬(き)りつけ...
室生犀星 「ゆめの話」
...」お萩は苦しそうに肩さきの傷を見せ...
室生犀星 「ゆめの話」
...それだのにこんなに肩さきに血が出ていること...
室生犀星 「ゆめの話」
...」私は肩さきを酷く小衝かれた...
室生犀星 「幼年時代」
...また一疋の大きな白い蛾が彼の肩さきにとまつてゐた...
横光利一 「蛾はどこにでもゐる」
...二度目の刀は、肩さきへ来た...
吉川英治 「治郎吉格子」
...安兵衛武庸の刀は彼の肩さきから胸へ切りさげた...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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