...」「君に肥桶(こえたご)が持てるか?」「そりやア...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...肥桶の箍(たが)を黄金で造ると言うたそうであるが...
丘浅次郎 「我らの哲学」
...聞けば囲いのしてない所へ肥桶(こえおけ)が二つ三つ並べてあって...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...玉川上水(たまがわじょうすい)の分派で、品川方面の灌漑専用(かんがいせんよう)の水だが、附近の村人は朝々顔も洗えば、襁褓(おしめ)の洗濯もする、肥桶も洗う...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...此洋服を着て甲州街道で新に買った肥桶を青竹(あおだけ)で担いで帰って来ると...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...股引草鞋、夏は経木真田の軽い帽、冬は釜底(かまぞこ)の帽(ぼう)を阿弥陀(あみだ)にかぶり、焦茶(こげちゃ)毛糸の襟巻、中には樺色の麁(あら)い毛糸の手袋をして、雨天には簑笠姿(みのかさすがた)で、車の心棒に油を入れた竹筒(たけづつ)をぶらさげ、空の肥桶の上に、馬鈴薯(じゃがいも)、甘薯(さつまいも)の二籠三籠、焚付(たきつけ)疎朶(そだ)の五把六束、季節によっては菖蒲(あやめ)や南天小菊の束なぞ上積にした車が、甲州街道を朝々幾百台となく東京へ向うて行く...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...肥桶(こえおけ)にぐっと腕(うで)を突込み...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...彼自身肥桶でも担(かつ)いで居る時...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...「肥桶(こえたご)起きろよ!」と長男の堅吉がよく怒鳴った...
豊島与志雄 「少年の死」
...それは実際巣鴨の場末の田舎に居た「肥桶(こえたご)」の嘗て知らない楽しみであった...
豊島与志雄 「少年の死」
...そして向うの隅から「肥桶(こえたご)やあーい」と声を合した...
豊島与志雄 「少年の死」
...臭いものの蓋(ふた)をとれば肥桶(こえたご)で...
夏目漱石 「三四郎」
...お前のような肥桶臭(こえおけくさ)い小博奕打(こばくちうち)の相手になる娘(こ)じゃない...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...からだだけならすぐ跳(と)べるんだが肥桶(こえおけ)をどうしような...
宮沢賢治 「イーハトーボ農学校の春」
...棒で肥桶(こえおけ)の腹をこすってキーキーという音を立て...
柳田国男 「こども風土記」
...肥桶(こえおけ)のきしみ...
柳田国男 「雪国の春」
...菜園に肥桶(こえおけ)をになったり...
吉川英治 「三国志」
...肥桶(こえおけ)を担(にな)って...
吉川英治 「松のや露八」
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