...いつもよほど耳と目を肥やしておかなくてはならないようでございます...
上村松園 「画筆に生きる五十年」
...紅葉自身は常に外国小説を読んで頭を肥やしていた...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...胡桃(くるみ)の実で肥やしたんじゃな!」と喉(のど)を鳴らして言いました...
太宰治 「ろまん燈籠」
...一般の世間が平素から科学知識の水準をずっと高めてにせ物と本物とを鑑別する目を肥やしそして本物を尊重しにせ物を排斥するような風習を養うのがいちばん近道で有効ではないかと思ってみた...
寺田寅彦 「断水の日」
...安くない利子で腹を肥やしているものもあったが...
徳田秋声 「縮図」
...自分の苦行を肥やしにして...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...未来の調和の肥やしにならなければならないんだ? 人間同士のあいだの罪悪の連帯関係は僕にもわかる...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...土地を肥やしていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...それは取次の用人共の懐を肥やしたに過ぎないのですが...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...丹精して肥やして来た土でございます...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...その時もらった支度金の百両は里親がそっくり取り込んで懐ろを肥やし...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...何の肥やしになりますか...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「本命馬」
...多くは焚料(たきもの)とするか空しく白蟻を肥やして...
南方熊楠 「神社合祀に関する意見」
...取った土地で稼げば稼いだだけ自分の身上を肥やしてゆけるようになるのだとカン違いしていた...
宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェトの芸術」
...自分で肥やしをするのを不都合とは思わない...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...長い年月にわたって私腹を肥やして来た」「おそれながら」金之助は堪り兼ねてこう云った...
山本周五郎 「落ち梅記」
...長安の大都は、先年革命の兵火に、その大半を焼き払われ、当年の暴宰相董卓(とうたく)は殺され、まったく面目を一新するかと思われたが、その後には李(りかく)、郭(かくし)などという人物が立って、依然政事を私し、私慾を肥やし、悪政ばかり濫発(らんぱつ)して、すこしも自粛するところがなかったため、民衆は怨嗟(えんさ)を放って、「一人の董卓が死んだと思ったら、いつのまにか、二人の董卓が朝廷にできてしまった」と、いった...
吉川英治 「三国志」
...花園の塵(ちり)を一掃したら、夏の天下は、青々(せいせい)と若い者の腕にひきうけて、土も肥やし、樹々も刈り、天地の気を新たにしなければいけない)などと激励していた...
吉川英治 「源頼朝」
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