...小さくて可愛いいんですのネ」彼女は肥った露(あらわ)な二の腕を並行にあげて...
海野十三 「赤外線男」
...夫も傍らに肥った身体に酒杯を持って笑っているし……しかも夫人が眼を瞠(みは)ったのは...
橘外男 「グリュックスブルグ王室異聞」
...肥った淫売婦がいま掴(つか)まえた男の肘(ひじ)をとって口笛を鳴らし...
谷譲次 「踊る地平線」
...その家族らしい肥ったおかみさんと子供たちが鈴成りに足をぶらぶらさせて...
谷譲次 「踊る地平線」
...肥った老婆...
谷譲次 「踊る地平線」
...この男はロプーホヴァが恋しゅうてならんとさ!」ロプーホヴァというのは頗る肥った頗る背の長い婦人で...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「接吻」
...――直ぐにまたその肥った娘の方へ逸れて行ってしまったものだ...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...「まるまる肥った...
豊島与志雄 「幻の彼方」
...肥った山鼠(モルモット)は白鷓鴣(しろやっこ)や松鶏(らいちょう)と並んで...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...老船長のゴムまりのように肥った体からも髪のうすくなった頭からも汗がしきりに蒸発している...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...青嵐の親分と言われたから、でっぷり肥った、長半纏(ながばんてん)を引っかけて、胴金入(どうがねい)りの凄いやつでも引提げながら悠々(ゆうゆう)と立ち出でるかと思うと、これは寺子屋の師匠そっくりの長身温和な浪人風――気分から、応対まで、すっかり当てが違って、がんりきは、またしてもテレ加減を隠すことができない...
中里介山 「大菩薩峠」
...力一杯張り切るように肥った皮膚が鮮緑色に輝いているのがいかにも美しかった...
中谷宇吉郎 「雑魚図譜」
...ビールで肥った赤ら顔の工場主とは大違いだ...
西村陽吉 「夕がたの人々」
...食い肥った立派な人だ...
葉山嘉樹 「牢獄の半日」
...よく肥った子豚に突き倒されて...
ニコライ・ゴーゴリ 平井肇訳 「外套」
...肥った者からヤセた者に与ふるといふのを話せと言ふ...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...デブデブに肥った四十恰好のお神(かみ)さんが...
夢野久作 「空を飛ぶパラソル」
...女将らしい六十近い肥った女が...
横光利一 「旅愁」
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