...いわんやわたしの側にいた紳士はハーハー息をはずませて肥えた身体(からだ)を持てあましていた...
魯迅 井上紅梅訳 「村芝居」
...豚の様に肥え太った老資産家の愛撫が...
江戸川乱歩 「江川蘭子」
...眼輪匝筋(がんりんそうきん)は豊かに肥え...
高村光太郎 「九代目団十郎の首」
...両手にあまるほど肥えて石みたいに堅い...
中勘助 「島守」
...哈爾賓(ハルピン)産の肥えた馬の手綱(たづな)を取って控えていた...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...担いでゐるのが肥えの筈であることを忘れて...
葉山嘉樹 「運動会の風景」
...さすがに柳の本国であってギョリュウを見る眼が肥えている...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...常に息災で肥え太る由一汎に信ぜらるという...
南方熊楠 「十二支考」
...津軽平野の土地が肥えているのは...
柳田國男 「日本の伝説」
...佳玖子はまるまるとよく肥えて...
山本周五郎 「菊千代抄」
...あのじじいのぶくぶく肥えたずう躰(たい)を見るだけで...
山本周五郎 「さぶ」
...かれは肥えているのでながく正座していることはなかなか辛いと思えるのだが...
山本周五郎 「新潮記」
...肥えている者に大酒は毒だ」そう云うのも聞えた...
山本周五郎 「新潮記」
...杉乃は子を産んでから少し肥え...
山本周五郎 「竹柏記」
...肥えて、どこかに重厚さを加えた英之助の、馬上から見おろした顔が、眼に焼付いているようであった...
山本周五郎 「はたし状」
...肥えたほうの若者が喚いた...
山本周五郎 「花も刀も」
...彼はまえよりも肥えているが...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
......
夢野久作 「猟奇歌」
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