...おい、肝心な処だ...
泉鏡花 「婦系図」
...あなたを悦(よろこ)ばせようと申した事は、母や姉は随分不承知なようですが、肝心な兄は、「お前はおとよさんと一緒になると決心しろ」と言うてくれたのです...
伊藤左千夫 「春の潮」
...塗込めがはじまる……ここが肝心なところですよ...
大阪圭吉 「坑鬼」
...自分の生活に適用するようになることが肝心なのだ...
ピョートル・アレクセーヴィチ・クロポトキン Pyotr Alkseevich Kropotkin 大杉栄訳 「青年に訴う」
...そういう一番肝心な基礎的なことがよく分からないで枝葉のデテールをごたごたに暗記して...
寺田寅彦 「マーカス・ショーとレビュー式教育」
...肝心な唐次長が、軍部の意向を聴取するために、南京へ帰京する予定を延ばして在上海の日本武官を訪問して歩いている...
戸坂潤 「社会時評」
...そのくせ女は一人もこの門をはいることができん――ここが肝心なところなんですよ...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...こういう事の外に大阪の留守居には別に肝心な役目があった...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...肝心な時に何の予告もなくふっつりと消えることがある...
中谷宇吉郎 「英国日食班の印象」
...一番肝心なことは...
中谷宇吉郎 「立春の卵」
...「貴方のお顔には何か肝心なもの――何と云つたらいゝかしら――まあ命の光り...
長與善郎 「青銅の基督」
...これからが肝心なところだよ...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...芝居の肝心な所だぞ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「悪の帝王」
...食べてみることが肝心なのである...
山之口貘 「チャンプルー」
...肝心な話があるんだろう」おのぶは膝の上で...
山本周五郎 「さぶ」
...肝心な事は動かしようがないものだ……以前は明敏なお方であった...
山本周五郎 「新潮記」
...二人とも肝心な話をさきに仰(おっ)しゃいな」「ああそのことね」小松は持っていた風鈴をそばにある用箪笥の上に載せ...
山本周五郎 「日本婦道記」
...肝心なところになるときまってはぐらかすんだから」「はぐらかしはしませんわ...
山本周五郎 「風流太平記」
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