...肝腎(かんじん)の天神様へは容易(ようい)に出ることも出来なかつた...
芥川龍之介 「本所両国」
...しかし肝心な事を言いわすれた...
泉鏡花 「怨霊借用」
...下に創痕やあざがないかを調べることが肝要なり...
海野十三 「江戸推理川柳抄」
...炭加減と水の品とを吟味することが肝腎で...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...肝腎のお銭(あし)といつては一文(もん)も無かつた...
薄田泣菫 「茶話」
...陸海軍の防備がいかに充分であっても肝心な戦争の最中に安政程度の大地震や今回の台風あるいはそれ以上のものが軍事に関する首脳の設備に大損害を与えたらいったいどういうことになるであろうか...
寺田寅彦 「天災と国防」
...一九〇三年に「肝油事件」というのが起った...
寺田寅彦 「レーリー卿(Lord Rayleigh)」
...というのが彼女にとっては肝要なことだった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...肝腎なことはやはり相談致さなければなりません...
豊島与志雄 「自由人」
...海岸の木の上に肝を干しておいたのを忘れていたが...
豊島与志雄 「自由人」
...すべてひろめが肝腎ですからな...
中里介山 「大菩薩峠」
...然(しか)し肝心(かんじん)の家屋敷(いへやしき)はすぐ右(みぎ)から左(ひだり)へと賣(う)れる譯(わけ)には行(ゆ)かなかつた...
夏目漱石 「門」
...詰る所は新旧両夫婦相触るゝの点を少なくすること至極の肝要なり...
福沢諭吉 「新女大学」
...なかなか肝腎の賣文稼業には手が屆きかねます...
堀辰雄 「七つの手紙」
...心肝を砕いて練磨を遂(と)げているうちに...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...規則にかなっていることこそ肝腎なのだ...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...肝心なのはおとよっていう人の気持だと思うな」「おらもそれは考えた...
山本周五郎 「さぶ」
...うどん屋は肝(きも)をつぶして...
吉川英治 「鳴門秘帖」
便利!手書き漢字入力検索