...肝心の肥料がまだ手に入っていなかった...
犬田卯 「米」
...じゃあ犯人は肝腎(かんじん)の川手氏に復讐をとげなかったわけですか」「イヤ...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...その肝心の点丈けがどうしても思出せないではないか...
江戸川乱歩 「恐ろしき錯誤」
...理性は脳、勇気は心臓、欲情は肝臓、にある...
ジェイムズ・サンヅ・エリオット James Sands Elliott 水上茂樹訳 「ギリシャおよびローマ医学の概観」
...もし殿下にさえその気がおありになるのならば、かえってMISS・キャゼリンとでも御結婚になることが対英関係上にも殿下御一身上にも好都合ではないかと思われるのですが、肝心の殿下が、身震いするほど厭い抜いておられるのですからてんで問題にはならないのです...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...小母さんは持前の肝癪を起して...
戸田豊子 「歩む」
...殊に平民實力の興起において最も肝腎な時代で...
内藤湖南 「應仁の亂に就て」
...それを肝心(かんじん)のあなたが……」お延は行きつまった...
夏目漱石 「明暗」
...男だからあれで済むが女があれじゃさぞかし困るだろう」と迷亭君が一人這入(はい)ると肝心(かんじん)の話はどっかへ飛んで行ってしまう...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...肝腎の又六が殺されて了つては...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...何(なん)たら事(こと)だ面白(おもしろ)くもないと肝癪(かんしやく)まぎれに店前(みせさき)へ腰(こし)をかけて駒下駄(こまげた)のうしろでとん/\と土間(どま)を蹴(け)るは二十の上(うへ)を七つか十か引眉毛(ひきまゆげ)に作(つく)り生際(はへぎは)...
樋口一葉 「にごりえ」
...肝腎の芸のほうはまるっきりお留守...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...人間の肝臓が果して南京虫予防の妙薬かどうか...
平光吾一 「戦争医学の汚辱にふれて」
...その哀しみをごまかそうと辺りの人が肝を潰して振り向いて見たほど大きな声で...
正岡容 「寄席」
...祖母丈だと思って居たらしいお関は年に合わない肝高な浮々した声を出して...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...肝臓病が始まった...
宮本百合子 「カール・マルクスとその夫人」
...けれどもなにごとも取付(とっつき)が肝心だから...
山本周五郎 「柳橋物語」
...それからまた網を作るに忙しくて肝腎の魚を忘れるような場合さえある...
与謝野晶子 「鏡心灯語 抄」
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