...「やっぱりお肚(なか)が痛むんでねえ...
芥川龍之介 「お律と子等と」
...実は誰も肚(はら)の底では少しも自由を求めていない...
芥川龍之介 「侏儒の言葉」
...一口にいったら……途方もなく肚(はら)の大(で)かい……日本人にゃ珍しい肚の大きな方でござんすな...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...小屋のなかも医者の肚(はら)も...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「ねむい」
...ちゃんと肚は出来てゐるのだぞ...
原民喜 「馬頭観世音」
...肚の底まで見とおすような鋭い眼差で...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...彼奴(きやつ)の特徴を詳細に書いた広告を出すことにしようと肚をきめたのである...
ニコライ・ゴーゴリ 平井肇訳 「鼻」
...夫人が彼に当然返すべきものを文句なしに返してくれるかどうか一応問い合わせて見ることに肚をきめた...
ニコライ・ゴーゴリ 平井肇訳 「鼻」
...肚を据ゑて想ひを凝らすといふやうなことを呟いで能ふ限り悠悠たる妙境に耽らうとしてゐる岡の眼ざしは...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...わたしは自分の肚(はら)の中に喧嘩だの葛藤だのを飼っておくことができない...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...「めし屋をやる」という肚(はら)をきめたので...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...」彼は自分と自分に肚の中で云つた...
横光利一 「悲しみの代價」
...肚(はら)のそこで...
吉川英治 「篝火の女」
...呂布の書簡をひらいて遂に肚を決めたらしく...
吉川英治 「三国志」
...こっちの肚を探ろうとしているかも知れない――と気づいたからである...
吉川英治 「三国志」
...その分らない肚の底に...
吉川英治 「新書太閤記」
...「――ほんとに、お肚の悪いのは、石田に住む常陸大掾国香さまじゃ...
吉川英治 「平の将門」
...おまえの事を、街の者は、鬼と云うておるが、甲斐守の眼から見れば、おまえは決して、元来そんな悪党ではない、肚の中には、やはり善性がある者と見ておる...
吉川英治 「鍋島甲斐守」
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