...きらきらしい日ざしの底にまだ何処となく肌寒さが感ぜられたが...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...その肌寒さはあたかも梅見頃の陽気の爽(さわ)やかさに似てぞくぞくしながらもここちよく...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...肌寒さは感じない...
豊島与志雄 「田園の幻」
...へんな肌寒さを予感のように感じたものだが...
豊島与志雄 「白木蓮」
...しんしんとした肌寒さだ...
豊島与志雄 「復讐」
...その夜の雨から時候が打って変ってとても浴衣(ゆかた)一枚ではいられぬ肌寒さにわたしはうろたえて襦袢(じゅばん)を重ねたのみか...
永井荷風 「雨瀟瀟」
...朝な夕なの肌寒さも一入(ひとしお)深く身に浸(し)む七月の半(なかば)過ぎ...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...冷冷とした夜氣の肌寒さに不安を感じて佐佐木と別れ八時過ぎ歸宅...
南部修太郎 「日曜日から日曜日まで」
...万田龍之助ゾッと肌寒さを覚えました...
野村胡堂 「大江戸黄金狂」
...カフエーの女給とか女中だなんて! 十本の指から血がほとばしって出そうなこの肌寒さ……さあカクメイでも何でも持って来い...
林芙美子 「新版 放浪記」
...心細さと肌寒さを防いだ...
本庄陸男 「石狩川」
...はや夜風といいたいほどの肌寒さを加えてきていたが...
正岡容 「小説 圓朝」
...私はここを圓朝全怪談中の圧巻だとさえおもうのである(ことにこの場面は速記で読んでもぞくぞくと迫ってくる肌寒さがある)...
正岡容 「我が圓朝研究」
...にわかに肌寒さを覚える...
松濤明 「春の遠山入り」
...肌寒さに肩先をすくめるようにして懐(ふとこ)ろ手...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...万三郎は一種の肌寒さを感じながら...
山本周五郎 「風流太平記」
...肌寒さが感じられた...
吉川英治 「源頼朝」
...肌寒さを襟に感じた...
蘭郁二郎 「白金神経の少女」
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