...――言はば肉感的な美しさの中に何か超自然と言ふ外はない魅力を含んだ美しさである...
芥川龍之介 「文芸的な、余りに文芸的な」
...形においては最も肉感的なものを清浄と敬虔とに変えることができる...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...肉感的な吸引力になつてゐることを...
竹久夢二 「砂がき」
...その下には稍(やや)肉感的な紅味のある唇が心持ふくらんで持上つてゐた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...秋の山山は肉感的なるかな十時五分前太陽はさんらんと放散するのに馬車にへこんだ...
鶴彬 「村へ行く」
...クリストフの音楽から肉感的な魅惑を受けた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...今日初めて気が附いたあの肉感的な頬の魅力が眼の前にちらついた...
豊島与志雄 「球突場の一隅」
...何かしら下司なくらい肉感的な曲でした...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...肉感的な若々しい聲が快く顫へて...
中島敦 「かめれおん日記」
...少し肉感的な血色の良い頬や...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...妙に肉感的な女で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...肉感的な悪意の表情でながめるのが常であった...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ルイスヒェン」
...成熟しきった肉感的なからだつきや...
三好十郎 「胎内」
...頗る婉麗(えんれい)な肉感的なもので...
夢野久作 「暗黒公使」
...阿波にはたくさんに美人がいるが、あの豊麗な、肉感的な、南国色(なんごくしょく)の娘たちとは、これはまた、クッキリと趣(おもむき)をかえた美人...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...その肉感的な痙攣(けいれん)を感じた当惑のきわみに...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...その作品を芸術的に鑑賞し得ずただその作品から肉感的な煽動を受けるのみであるところの公衆が存在するという事実である...
和辻哲郎 「蝸牛の角」
...あらゆる肉感的なものにおいてさえ法の姿をながめる密教の思想が...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??