...輝くひとみの色は優しい肉感的な温(あたた)かみを持ち出して来た...
有島武郎 「或る女」
...空想の中を水車をまわす流れのように奔流する混乱した肉感的な幻影の流れと...
スティーヴンスン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」
...見かけは非常に軟く肉感的なので...
武田麟太郎 「現代詩」
...ほんとの光子さんはこの神々(こうごう)しさの上にちょっと肉感的なとこあるねんけど...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...いかにも肉感的なものではあったが...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...クリストフの音楽から肉感的な魅惑を受けた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...荒々しい肉感的な聖書がイギリス人の頭脳にはいった時と同じような...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...自国民のあらゆる病気、努力の恐れ、快楽の嗜好(しこう)、肉感的な観念、空想的な人道主義、意志を快く麻痺(まひ)させて、あらゆる活動の理由を奪い去るもの、そういうものを大事に育て上げている...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...ワグナーの勇壮な肉感的な悲観...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...今日初めて気が附いたあの肉感的な頬の魅力が眼の前にちらついた...
豊島与志雄 「球突場の一隅」
...或る気ぜわしない不安な呼吸に肉感的な波動をなしている...
豊島与志雄 「春の幻」
...氏は隱れたる物の中より一思想を發見するや殆んど肉感的なる衝動を催し...
永井荷風 「佛蘭西人の觀たる鴎外先生」
...そしてまた肉感的な濃密さがいい...
中原中也 「感想」
...「旋律的(メロヂカル)な美」それは言葉の美しい抑揚であり、且つそれ自らが内容の鼓動である所の、最も肉感的な、限りなく艶めかしい誘惑である...
萩原朔太郎 「青猫」
...松井須磨子の豐滿な肉體の極めて肉感的な事を讚美した文筆の士があつた...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...喜劇でも悲劇でもお望み次第に実演させて見せる……」「でもねえ先生……」女将の横に居る肥(ふと)っちょの一番肉感的な女が...
夢野久作 「超人鬚野博士」
...肉感的な人は男女のいずれにも多少あり...
与謝野晶子 「産屋物語」
...だからインドの肉感的な画も...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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