...口紅をさした婦人のそれ以上に肉感的なねばっこさを帯びる...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...肉感的な長い両腕をムキ出しにした太った女で...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...いかにも肉感的なものではあったが...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...あれは激しい肉感的な小説で有名になった閨秀(けいしゅう)作家だと説明した...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...荒々しい肉感的な聖書がイギリス人の頭脳にはいった時と同じような...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...自国民のあらゆる病気、努力の恐れ、快楽の嗜好(しこう)、肉感的な観念、空想的な人道主義、意志を快く麻痺(まひ)させて、あらゆる活動の理由を奪い去るもの、そういうものを大事に育て上げている...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...普通の道徳が規定してるような善悪の観念をもたない肉感的な野性――から...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...クーストーが彫刻したかと思われるようで真ん中にモスリンを透かして肉感的なくぼみが見えている両の肩...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...じょでこいと肉感的な声で歌いながら...
中里介山 「大菩薩峠」
...肉感的な若々しい聲が快く顫へて...
中島敦 「かめれおん日記」
...妙に肉感的なしなやかさがあって何がなし...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...凄いほど肉感的な女で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「旋律的(メロヂカル)な美」それは言葉の美しい抑揚であり、且つそれ自らが内容の鼓動である所の、最も肉感的な、限りなく艶めかしい誘惑である...
萩原朔太郎 「青猫」
...燃えるばかり肉感的な情熱で――その少年期の...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「幸福への意志」
...肉感的な悪意の表情でながめるのが常であった...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ルイスヒェン」
...頗る婉麗(えんれい)な肉感的なもので...
夢野久作 「暗黒公使」
...肉感的な人は男女のいずれにも多少あり...
与謝野晶子 「産屋物語」
...あらゆる肉感的なものにおいてさえ法の姿をながめる密教の思想が...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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