...戯を聴くこと幾分の後...
芥川龍之介 「北京日記抄」
...己が視たり、聴いたり、嗅いだりするものは、皆己が視るから、聴くから、嗅ぐから、己の為めに存在してゐるのである...
アルチバシェッフ・ミハイル・ペトローヴィチ Artsybashev Mikhail Petrovich 森林太郎訳 「笑」
...明らかにこれを聴くことを得べし...
井上円了 「甲州郡内妖怪事件取り調べ報告」
...笹鳴を初めて聴く...
種田山頭火 「松山日記」
...」私は医師の話を聴く一ぽう...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「妻」
...手近に聴くところがないから加賀寿々なんか聴きに...
徳田秋聲 「草いきれ」
...自然科学者の科学的研究と考察とに聴くのでなければ...
戸坂潤 「再び科学的精神について」
...番所へ行って万屋茂兵衛に聴くがいい」「茂兵衛だって...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...だんだん目鼻がついて行くじゃないか」平次は報告を聴くと...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...あとで金杉の竹松親分に聴くと...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...人間のひびきだけを聴く...
北條民雄 「癩院記録」
...それが物凄まじい胴間声と、しやがれ切つた調子放れの、だが歌手自身は唱歌手としての一種のポーズを執つてゐる態の有様が窺はれて、聴く者の身に悪感を強ひられる如き変梃なてのうると、さうかと思ふと、女のこれはまた実に突拍子もない人騒がせ気な、聴く者の胸に、その唱歌者の無神経質な偽陶酔状態を感ぜしめて身を切らるゝ百舌鳥に似たそぷらの、そのほか無造作に耳を澄すと、ひとつひとつが、いろいろな動物の不自然な場合に発する唸り声を例証に挙げて、滑稽めいた形容辞を冠せずには居られない底の、雑多な騒音が、決して飽和することなくばらばらに入れまじつて、だが、夫々精一杯に絶叫されてゐるので、寧ろ、それは、白昼であればあるだけ、あたりが森閑とした麗らかな冬景色の止め度もなく明るい畑中であればあるだけ、戸惑ひをして現れた化物共の有頂天の酒盛り騒ぎのやうに、不図私には面白く思はれた...
牧野信一 「心象風景」
...この画の旋律がもつ貞潔な甘さを聴くようにはできていなかったのです...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トリスタン」
...犬俯仰(ふぎょう)して命を聴くごとし...
南方熊楠 「十二支考」
...唯だ一つにしたる講筵だに往きて聴くことは稀なりき...
森鴎外 「舞姫」
...東京などでよく聴く「粉糠(こぬか)三合あれば養子に行くな」という諺を...
柳田國男 「食料名彙」
...屍体の心音を聴く...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...ただの笛と聴くのは...
吉川英治 「篝火の女」
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