...小谷さんのよろこぶ聖書の朗読や、話を聴く代りに、私は寛ろいだ方面に話を向けようと思って、「小谷さんは九州のお生れでしたね、海岸ですか」「長崎ですの」答えた小谷さんの口調には、私がかの女の望むものを避けていると見てとった、無愛想があった...
鷹野つぎ 「窓」
...一切のことは黄英に聴くようになった...
田中貢太郎 「黄英」
...終日、風を聴く...
種田山頭火 「其中日記」
...聴くだけはそれでも熱心に聴いている浜屋が...
徳田秋声 「あらくれ」
...合理的な説明を聴くまではどんな説も徹底しない...
戸坂潤 「社会時評」
...そういうものを聴くにいたらなかった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...良い弦楽四重奏の演奏を聴く機会を持たなかったわれわれにとって...
野村胡堂 「楽聖物語」
...もう少し詳しく聴くつもりでいると...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...そう聴くと、腹が一杯になるから不思議で――」「そう言わず行って来るがいい...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...泣きながらのお道の話を聴くと...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...一人寐て雁を聴くかな味わろき宵の食事の幾時の後一人寝の所在なさに聴き耳を立てると雁の声が聴こえて来た...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...急用というのを聴くために...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...聴く者がただ聴く者でなくまた語り得る者であり...
三木清 「解釈学と修辞学」
...君の家なんぞもアイスクリームの器械を買って家で拵(こし)らえると好きなものが出来るぜ」大原「だけども家の先生たちに何が出来るものか」と聴く人のありとも知らず...
村井弦斎 「食道楽」
...「襷十字にあやどりて」という文句を聴くが...
柳田国男 「木綿以前の事」
...これもやっぱり遠くで聴くように出来ている鳥であった...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...生徒は真青(まっさお)に緊張してそれを聴く...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...たとえば、国外へ逃亡するさい、行方郡、河内郡などの官倉の物を持って逃げたとか、また、在職中にも、貢税の者の頭を刎(は)ねたとか、訴訟を聴くのに、一方から収賄を受けたとか...
吉川英治 「平の将門」
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